約 3,137,234 件
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/1167.html
妹「キョーンくん!朝だよー!」 キョン「・・・あー」 妹「ほらー!早く起きてー!」 キョン「いって!わかったわかった!」 妹「はぁやぁくー!」 キョン「ふぁー・・・」 キョン(長門のこと考えてて・・・よく寝れなかったな) 妹「キョン君?目真っ赤だよ?」 キョン「あー、なんでもない。それよりほら、朝飯だ」 妹「うんっ!」 学校 キョン「うーす、ハルヒ」 ハルヒ「・・・」 キョン(また機嫌悪そうだな・・・いつものことか) ハルヒ「・・・ねぇ、キョン?」 キョン「ん、何だ?」 ハルヒ「有希、いつになったら帰ってくるんだろ」 キョン「長門か?確か2、3ヶ月って言ってたぞ」 ハルヒ「・・・ふーん」 キョン「なんだよ突然」 ハルヒ「う、うるさいわね。あんたには関係ないのっ!」 キョン「っと、はいはい」 ハルヒ「・・・ふんっ」 ガラッ みくる「はぁはぁはぁ・・・キョ、キョンくぅん!」 キョン「・・・朝比奈さん?」 パタパタ みくる「ひぃひぃ・・・」 ハルヒ「ちょ、ちょっとみくるちゃん!?こんな時間にどうしたの?もう授業始ま・・・」 みくる「と、とにかくキョンくん!一緒に来てください!」 キョン「へ?なんで俺が・・・ってて!」 みくる「はやくしてくださぁい!」 キョン「わ、わかりましたからそんなに引っ張らないで下さいよ!」 ハルヒ「みくるちゃん!?どういうこと・・・」 バタン ハルヒ「・・・なんなのよ」 みくる「はぁはぁ・・・」 キョン「えーと、なんですか?こんな所に連れ出して」 みくる「た、大変なんですよぉ!緊急事態です!」 キョン「へ?緊急事態?」 みくる「その、朝倉さんが・・・」 キョン「え?」 みくる「だから朝く・・・わわっ! キョン「あ、朝倉!?ちょっと、今何て言いました!?」 みくる「ひっ!ちょっと落ち着いてキョンくん・・・ひゃ!」 キョン「朝倉が何なんですか!?」 みくる「えと、その・・・こっちに戻ってきたみたいなんですよぉ!」 キョン「な・・・マジですか!」 みくる「マジです・・・大マジです」 キョン「なんで朝倉が・・・」 みくる「前に長門さんから話は聞いてました・・・キョンくん殺されそうになったって・・・」 キョン「その情報は誰から?」 みくる「えと・・・その、禁則事項ですぅ・・・」 キョン「アレですか?未来の偉い人とかそんなのからですか?」 みくる「そ、そんなところです・・・」 キョン「くっそ・・・今朝倉がどこにいるかわかりますか!?」 みくる「それはちょっと・・・ってキョンくん!?どこ行くんですか!?」 キョン「朝比奈さんは古泉にこのことを伝えてください!俺は長門のところに行って来ます!」 みくる「そんな!一人じゃ危険すぎますよ!キョンくん!!」 キョン「くっそ!」 キョン「はぁはぁはぁ・・・」 ピンポーンピンポーンピンポーン キョン「くっそ・・・出ろよ!長門!」 ガチャ キョン「!」 長門「・・・」 キョン「長門!俺だ!」 長門「何」 キョン「とりあえず中に入れてくれ!」 長門「・・・なぜ」 キョン「いいから!」 長門「・・・」 ガーッ キョン「はぁはぁ・・・」 長門「何」 キョン「あ、朝倉はこなかったか!?」 長門「・・・朝倉」 キョン「そうだよ、朝倉涼子! 長門「・・・来てない」 キョン「そう・・・か・・・ハァー・・・」 長門「朝倉涼子は消えた。私が情報連結を解除したはず」 キョン「朝比奈さんがな、戻ってきたって」 長門「・・・朝比奈みくるが」 キョン「ああ・・・理由はよく分からないけどな」 長門「・・・理由」 キョン「ふー、とりあえず安心したよ・・・無事でよかった」 長門「・・・」 ヴーヴー キョン「なんだ?」 長門「・・・電話」 キョン「あ、ああ。俺か」 パカッ キョン「なんだこの番号?」 長門「・・・っ!」 キョン「もしも・・・」 長門「出ちゃダメ」 キョン「へ?」 ?「・・・ふふ、見ーつけた」 キョン「!」 バチッ! キョン「いでっ!」 長門「・・・特定された」 キョン「な、なんだよ突然」 長門「・・・来る」 キョン「来る?何が来r」 ドォォォオオオォオオオンッ!! キョン「うおぉぉぁっ!」 長門「っく・・・」 オォォォ・・・・ 長門「・・・なぜここへ」 朝倉「ふふ、お久しぶりね。長門さんに・・・キョン君♪」 5話
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/1165.html
キョン「おう」 長門「・・・」 スッ キョン「もう・・・いいのか?」 長門「(コクッ)」 キョン「・・・」 ナデナデ 長門「?」 キョン「・・・」 長門「何」 キョン「あっ・・・いや、なんとなくだな・・・」 長門「?」 キョン「か、帰るか?」 長門「(コクッ)」 ハルヒ「はぁはぁ・・・!」 ハルヒ「あ、あれは・・・」 みくる「ひぃひぃ・・・す、涼宮さん、早すぎですよぉ・・・はぁはぁ・・・」 ハルヒ「な、何よアレ・・・」 みくる「えっ?・・・は、はわわ!キョン君たち、大胆・・・」 ハルヒ「・・・バカキョンッ!!!」 みくる「あっ!す、涼宮さん!?どこ行くんですかぁっ!?」 キョン「・・・」 長門「・・・」 キョン「・・・もう寒くないか?」 長門「(コクッ)」 キョン「そう・・・か」 ピタッ 長門「・・・着いた」 キョン「お、おぉ」 長門「今日は・・・ありがとう」 キョン「あぁ」 スッ 長門「これ、濡れてしまった」 キョン「え?ああ、気にすることねぇよ、じゃ俺は帰るな」 長門「・・・あの」 キョン「だからホント気にすんなって。じゃあまた明日な」 長門「・・・あ」 長門「・・・お茶・・・」 次の日 キョン「よぉハルヒ」 ハルヒ「・・・」 キョン「おいおい、いきなり無視か?」 ハルヒ「・・・っさい」 キョン「え?」 バンッ ハルヒ「うるさいっ!」 キョン「うぉっ!な、なんだよ急に!」 ハルヒ「何よ・・・もう」 キョン「お、おい?」 国木田「・・・キョン、取り込み中悪いけど、古泉君が呼んでるよ」 キョン「え?あ、あぁ・・・わかった、すぐ行く」 ハルヒ「・・・ふんっ」 キョン「なんだ古泉、俺に用か・・・って長門も?」 古泉「とりあえずここで話すのは危険ですので、場所を変えましょう」 キョン「?どういうことだ?」 古泉「涼宮さんに聞かれては困ることなのです」 キョン「・・・わかった」 長門「・・・」 屋上 キョン「・・・古泉、一体何があったんだ?長門まで呼び出して」 古泉「いや、昨日のことでしてね」 キョン「・・・それがどうした」 古泉「まぁ、簡潔に言いましょう」 キョン「?」 古泉「閉鎖空間が・・・昨日の夕方から異常に増大しています」 キョン「・・・っな!?」 古泉「このままでは非常に危険です」 キョン「ど、どういうことだ!?」 古泉「理由は・・・朝比奈さんの話から大体判明しました」 キョン「あ、朝比奈さんの・・・?」 古泉「ええ。昨日の夜、閉鎖空間の話をしたらですね、朝比奈さんが心当たりがあるとおっしゃってました」 キョン「・・・どういうことだ?」 古泉「僕の口からは言いにくいことなのですが・・・」 長門「・・・あなたと抱き合っている姿を目撃された」 キョン「っ!?」 古泉「えぇ、そういうことなんです」 キョン「そ、それでハルヒは・・・」 古泉「まぁそうなるでしょう」 キョン「そんな・・・」 古泉「涼宮さんは、少なからずあなたに好意を持っていました。これは間違いないです」 キョン「・・・」 古泉「しかし、言い方が悪いでしょうが、あなたは涼宮ハルヒを裏切った」 キョン「俺がか!?・・・そ、そんな気はないぞ!」 古泉「いえ、涼宮さん本人にとっては大きな精神的動揺に繋がっています。その証拠に閉鎖空間が増大しているのです。」 長門「これ以上閉鎖空間が増大すると・・・危険」 キョン「な、長門・・・」 古泉「機関は大騒ぎですよ。まさかここまで悪化するとは想定していませんでした」 キョン「・・・俺はどうすればいいんだ」 古泉「涼宮さんは、長門さんとあなたの関係に激しい嫉妬感を持っています」 キョン「・・・」 古泉「簡潔に言いましょう・・・もうなるべく長門さんには近付かないで下さい」 キョン「っ!」 ガシッ! キョン「長門がいじめられてるのを・・・見逃せってことかよっ!」 古泉「キョン君、落ち着いてください、冷静に話しましょう」 キョン「俺は何度も長門に助けられてるのに・・・こんな話あるか!」 長門「・・・」 古泉「長門さんに関しては、機関が全力でバックアップするつもりです」 キョン「・・・っ!」 スッ 古泉「あなたの気持ちもわかります。しかし、状況が状況です。協力してください」 キョン「・・・」 長門「・・・そういうこと」 キョン「な、長門・・・」 古泉「しばらく長門さんは学校を休みます。今日も部活には出ません」 キョン「そ、そこまでしないとダメなのか!?」 古泉「・・・これは長門さんの意思です」 キョン「長門の・・・くそっ!」 長門「・・・」 古泉「僕は、機関にこのことを報告するので・・・失礼します」 長門「・・・」 キョン「長門は・・・これでいいのか?」 長門「何が」 キョン「・・・」 長門「仕方のないこと」 キョン「すまない・・・」 長門「・・・謝らないで」 キーンコーンカーンコーン キョン「・・・じゃあな、長門」 長門「(コクッ)」 長門「・・・」 キョン「・・・」 ハルヒ「どこ行ってたのよ?」 キョン「トイレだ、別にかまわないだろ」 ハルヒ「・・・有希のところじゃないの?」 キョン「っ!」 ハルヒ「ほら?図星ね、何してたのよ」 キョン「違う、俺は・・・」 ハルヒ「何よ?あたしに嘘ついても無駄なんだからね!」 キョン「・・・」 ハルヒ「ほら、何してたか話しなさいよ?どうせまたいやらしい事でもしてたんでしょ?」 キョン「!!て、てめぇっ!」 ガタッ! 谷口「お、おいキョン!何やってんだよ!落ち着けって!」 ハルヒ「な、何なのよバカキョン!!!」 キョン「クソッ!」 国木田「キョン、とりあえず落ち着こうよ!?皆も見てるし・・・」 キョン「はぁはぁ・・・」 ハルヒ「・・・」 キョン「・・・帰る」 谷口「おいキョン、どこ行くんだよ!?」 キョン「ついてくるな」 国木田「ちょ、ちょっと!?」 ~部室~ キョン「ハァ・・・今さら戻ったら、めちゃくちゃ怒られるだろうな」 キョン「長門・・・」 キョン「あいつ・・・いつも一人ぼっちで・・・本読んでたんだな・・・」 キョン「・・・」 バタッ キョン「っ!」 長門「・・・あ」 キョン「な、長門?なんでここに?」 長門「忘れ物」 キョン「も、もう帰るのか?」 長門「(コクリ)」 キョン「・・・そうか」 長門「あなたは、なぜここにいるの?」 キョン「え?あぁ、ハルヒと・・・少しな」 長門「・・・そう」 キョン「・・・」 長門「涼宮ハルヒとは・・・仲良くして」 キョン「な、長門・・・」 長門「そうしないと、この世界は終わる」 キョン「あぁ、わかってる」 長門「それに・・・私のことは気にしないで」 キョン「・・・わかったよ」 長門「・・・じゃ」 キョン「・・・ちょっと待てくれ」 長門「?」 キョン「長門、寒くないか?」 長門「別に・・・!?」 ギュッ キョン「・・・暖かいか?」 長門「・・・」 キョン「ごめんな、俺のせいでこんなことになって」 長門「・・・あなたのせいじゃない」 キョン「いや、俺のせいにしといてくれ」 長門「・・・(コクッ)」 スッ キョン「じゃ・・・またな」 長門「・・・また」 ガラッ 谷口「お、おおキョン、何してたんだよ?もう昼休みだぞ?」 キョン「ハルヒは?」 谷口「あいつか?またどっかに消えてったな」 キョン「わかった。すまなかったな、心配かけて」 谷口「いや、気にするな!しかしお前があんなにカーッとなるな・・・っていねぇし」 中庭 ハルヒ「・・・はぁ」 キョン「おいおい、どうした?そんな深い溜め息ついて」 ハルヒ「キョ、キョン!!いつ帰って来たの!?」 キョン「ついさっきだ。部室で頭冷やしてたんだよ」 ハルヒ「何よそれ・・・あたしに言うことあるんじゃないの!?」 グイッ キョン「っと!お、おい!ネクタイは引っ張るなっ!」 ハルヒ「いいから早く言いなさいよ!」 キョン「・・・すまなかった、反省してるよ」 ハルヒ「・・・(ぷいっ)」 キョン「何だよその態度は・・・謝っただろ?」 ハルヒ「・・・うっさいわね」 キョン「・・・」 ハルヒ「・・・あたしも少し言い過ぎた・・・」 キョン「・・・そうだな」 ハルヒ「でも、殴ろうとすることはないでしょ!?」 キョン「い、いやあれはだな、ついカーッとなって・・・」 ハルヒ「団長を殴るなんて二千億年早いのよ!」 バシッ キョン「いでっ!わ、わかってるよ!だから叩くな!」 ハルヒ「・・・本当に反省してる?」 キョン「あぁ、悪かったよ。めちゃくちゃ反省してるさ」 ハルヒ「・・・」 キョン「だから許してくれよ?な?」 ハルヒ「・・・わかったわ。でも今度あたしを殴ろうとしたら、SOS団強制脱退よ!?いいわね!」 キョン「わーったよ!(俺は別に構わないが・・・)」 ハルヒ「今なんか言った?」 キョン「い、いや言ってない!」 ハルヒ「怪しいわね・・・まぁいいわ、罰として今度何か奢りなさい!」 キョン「あー、はいはい、わかったよ」 ハルヒ「じゃあ、あたしはお昼食べに行くから!キョンも早く食べちゃいなさいよ?」 キョン「言われなくてもわかってる」 キョン「・・・」 キョン「(・・・長門、これでいいんだよな?・・・)」 放課後 キョン「朝比奈さーん、入りますよ?」 みくる「・・・どうぞ」 ガチャ キョン「こんにち・・・って朝比奈さん!なんで泣いてるんですか!?」 みくる「ぐすっ・・・わ、わたしのせいで・・・長門さんが・・・ふぇぇぇん!」 キョン「い、いや、朝比奈さんのせいじゃないですよ?」 みくる「古泉くんに・・・ぐすっ・・・あのこと話したのが間違いでしたぁ・・・まさか機関があそこまで動くなんて・・・」 キョン「朝比奈さん、落ち着いてください」 みくる「キョン君・・・怒ってるでしょ?」 キョン「・・・」 みくる「キョン君は・・・長門さんのこと・・・」 キョン「朝比奈さんっ!!」 みくる「ひっ!」 キョン「これは、誰のせいでもないです」 みくる「・・・」 キョン「それに・・・俺は誰も責める気はありません」 みくる「・・・はい」 キョン「これは・・・俺とハルヒの問題です」 みくる「キョ、キョン君・・・」 古泉「よく理解してくれていて、幸いです」 キョン「・・・古泉」 古泉「どうやら涼宮さんとは復縁できたようですね。閉鎖空間が減少してきています」 キョン「・・・」 みくる「古泉君・・・長門さんは・・・」 古泉「今日は早退させました。涼宮さんが長門さんの顔を見てどういう反応をするか・・・最悪のことを考えての配慮です」 みくる「そ、そこまでするこ・・・」 ハルヒ「やっほーーー!うわっ、やっぱ寒いわねー!みくるちゃん、お茶ちょーだい!」 みくる「えぁっ!?は、はい」 ハルヒ「あれ?みくるちゃん目赤いよ?どうしたの?」 みくる「た、ただの寝不足です!」 ハルヒ「・・・ふーん」 キョン「・・・」 ハルヒ「あれ?有希は?」 古泉「・・・長門さんなら、海外に行っているそうです」 ハルヒ「海外?何で今頃・・・」 キョン「・・・」 古泉「親族の方がエクアドルにお住みで、どうやら長門さんの祖母が危篤らしいのです」 ハルヒ「・・・そうなの」 古泉「ですので、しばらく学校には来れないそうです」 ハルヒ「ふーん」 キョン「っ!(なんでそんなに冷静なんだよっ!)」 ギュ キョン「・・・朝比奈さん?」 みくる「キョン君、落ち着いて・・・今は・・・我慢しないと・・・」 キョン「・・・わかってます」 みくる「・・・キョン君・・・」 キョン「・・・」 ハルヒ「・・・」 みくる「・・・」 古泉「・・・」 ガタッ ハルヒ「?」 みくる「あ、あの・・・わたし、今日ちょっと用事があるので・・・これで失礼してもいいですか?」 ハルヒ「え?あぁ・・・じゃあ今日はこれでお開きにしましょ」 古泉「わかりました。キョン君、帰りましょう」 キョン「・・・あぁ」 古泉「じゃあ涼宮さん、僕たちは先に失礼します」 ハルヒ「うん・・・じゃあね、古泉君、キョン」 キョン「・・・じゃあな」 古泉「・・・」 キョン「・・・」 古泉「キョン君?どこに行くのですか?」 キョン「・・・少しな」 古泉「長門さんのところですか?」 キョン「・・・だったら何だ」 古泉「フフ、僕に止める気はありませんよ」 キョン「・・・」 古泉「と言うより、僕にはあなたを止める権利がない」 キョン「・・・」 古泉「しかし、その行動があなたと長門さんにとってに正しい選択とはいえません」 キョン「・・・わかってるよ、古泉」 古泉「キョン君、よく考えて行動してください。僕が言いたいことはそれだけです」 キョン「あぁ」 古泉「では、また明日」 キョン「・・・」 3話
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/1168.html
キョン「いでで・・・」 朝倉「あら、ごめんねキョン君。あなたを巻き込むつもりはなかったの」 キョン「なっ!朝倉!」 朝倉「フフ、ずいぶん驚いてるわね」 キョン「な、何しに来たんだ!」 朝倉「誤解しないで。もうあなたを殺そうなんてしないわ」 キョン「っ!!」 朝倉「私がここに来たのは情報統合思念体の裏切り者を消しに来ただけよ。キョン君には何の危害も与えないわ。」 キョン「う、裏切り者?」 朝倉「そ、もう何となくわかるでしょ?」 キョン「・・・長門のことか?」 朝倉「大当たり♪さっすがキョン君」 キョン「くっ・・・」 長門「・・・私は情報統合思念体の意思に反した行動をしたつもりはない」 朝倉「フフ、ならなぜ、この部屋に防壁情報を張っていたのかしら?」 長門「・・・」 キョン「・・・防壁情報だと?」 朝倉「長門さんはね、この部屋を外部から一時的に遮断するようにプログラムしてたの」 キョン「長門が・・・」 朝倉「この情報空間を特定するには相当の時間が必要だったの。で、キョン君に少しお手伝いしてもらったのよ」 キョン「お手伝いだと?」 朝倉「あれ、まだ気が付かない?さっきの電話よ。あれ、私がここの空間を特定する為にかけたコードなの」 キョン「なっ!」 朝倉「助かったわキョン君♪ありがと」 キョン「て、てめぇ・・・ウッ!」 朝倉「ごめんねキョン君、少しの間だけそこでじっとしてて」 キョン「なっ・・・またかっ!」(体が動かない!) 朝倉「さて・・・と」 長門「・・・」 朝倉「長門さん、もうあなたはこの世界に必要とされてないみたいよ?」 長門「・・・」 朝倉「情報統合思念体はあなたを危険視してるわ。だから私がここにいるの。わかる?」 長門「・・・涼宮ハルヒの第一観察責任者はあなたではない。 それにあなたは私を情報連結解除できるほどの権限を持っていないはず」 朝倉「そんなこともうどうでもいいらしいわ。上の人たちはとにかくあなたを消したがってるの」 長門「・・・なぜ」 朝倉「なぜって?そんなこともう分かりきってるじゃないの」 長門「・・・」 朝倉「長門さんらしくないわね。もうあなたの役目は終わったってこと」 キョン「!?」 長門「役目・・・」 朝倉「そ♪だから消えてもらうしかないの」 長門「ここは私の情報制御下」 朝倉「だったら何?」 長門「・・・容赦はしない」 キョン「な、長門!?」 朝倉「・・・残念だわ長門さん。本当に自律神経を持ってしまってたの」 長門「パーソナルネーム、朝倉涼子を敵性と判定。自己情報結合解除を開始する」 朝倉「フフ、本当にやるつもりなのね。あなたには何のバックアッププログラムがないのよ?」 長門「・・・」 朝倉「あーあ、本当は手荒な真似はしたくなかったんだけど・・・仕方ないわ」 長門「・・・大丈夫、すぐに終わる」 キョン「長門!?」 長門「心配しないで」 キョン「おいっ!やめろっ!」 長門「・・・」 朝倉「フフ、いいわ・・・死になさい♪」 続
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/2624.html
長門有希のSF用語講座 第一回 長門「長門有希のSF用語講座のはじまり、はじまり~」 キョン「もうちょっと、マシなオープニングを考えてくれないか長門」 長門「うかつ。少し間違えた」 キョン「…いや少しどころじゃないだろ、いまのは。それはおいといて、 今回はアカシックレコードについて説明します。長門、説明頼む」 長門「わかった。始める」 長門「アカシックレコードとは、過去、現在、未来の情報を表す、いわば年表みたいなもの。この情報は人それぞれ決まっていて、アカシックレコードを解析すれば、その人物の過去、現在、未来、がわかる。 アカシックレコードは未来方向からの情報には不確定要素が高いので、必ずしも正確とは限らない。ただ、簡潔に言うと運命そのもの。 あなたと涼宮ハルヒが結婚することは規定事項。そのことについては、今の所は不変である」 キョン「……なるほど。そういえば、アカシックレコードを漢字表記にすると“超次記号”になるのは何故なんだ?」 長門「それは、人間の遺伝子情報、つまりDNA分子にその情報が存在している。 今の現代技術レベルでは、その情報を解読するには、不可能に近い。 だから、次元を超えた記号、“超次記号”と表記されるようになったと言われている」 キョン「なるほど。そういう事だったのか」 長門「…その後補足事項として、アカシックレコードは物質の実存の定義が存在する。 この事を応用すると物質の実存の定義のアカシックレコードを干渉すると物質を消滅させる事も不可能ではない」 キョン「おっと時間がなくなってきました。では皆さんまた来週!」 長門「…また見てね☆」 第二回 オープニング「雪、無音、窓辺にて。」 音の無い世界に 舞い降りた I was snow..... 長門「長門有希のSF用語講座、第二回目のはじまり、はじまり~☆」 キョン「お、長門。今日はご機嫌だな。後ろに『☆』がついてるぜ。 しかも、オープニングまでついてるじゃないか!」 長門「今日は記念すべき二回目なので、オープニングを設定した。そして特別ゲストをお呼びした」 キョン「まだ二回目しか放送してないのにいきなり過ぎないか?……」 長門「では、ゲストを紹介する。…朝比奈みくるさんです」 キョン「無視かよ…って特別ゲストって朝比奈さんだったのか……」 朝比奈「キョンくん久しぶりです。最近ぜんぜんあっていないから、寂しかったですぅ」 キョン「一週間前にみんなで会ったじゃないですか」 朝比奈「あれっ、そうだっけ」 キョン「まあ、それはおいといて。長門、今日はどんなSF用語を解説するんだ?」 長門「今日は時間振動、いわゆる、時空震などの未来用語についてお送りする」 キョン「…だから朝比奈さんを呼んだのか。なるほど、わかりやすい」 朝比奈「じゃあ、早速わたしが解説していきます」 キョン・長門「よろしくおねがいしますー」 朝比奈「まずは基本的なことから、解説しまーす♪。 三年前…じゃなかった四年前、涼宮さんは能力を活性化させ、あることをしました。 そう、それが時間振動、つまり、時空震なのです。その時空震が元で私たち未来人は 四年前以上の過去に遡ることが出来なくなりました。その原因は涼宮さんが発生させた時空震と同時に発生した時間断層なのです。 なぜ、時間断層があると、遡れなくなるのかは……禁則事項ですっ♪ えっと、解説を続けると、時空震は時空を改変した時も発生します。 例の12月長門さん暴走事件で、±1年の範囲で時空が書きか…、 …あの長門さん、どうしたんです…はっ、ごめんなさい、ごめんなさい。 あのことを思い出させてすいません!」 長門「………別にいい、気にしていない。続けて」 朝比奈「でも、長門さんいいんですか?」 長門「いい、かまわない」 キョン「朝比奈さん、続けていいですよ。長門もそう言っていることだし」 朝比奈「じゃあ、続けますね。 例の12月長門さん暴走事件で、±1年の範囲で時空が書き換えられました。 その時にも、時空震が発生しました。さらに長門さんはこの時空情報を元の時空間に書き換えました。この時にも時空震が発生しました。 つまり、未来からきた長門さんは元の時間軸に上書きしたのです。 TPDDを持つ人間はこの時空震を感じることができます。 ついでに、言うと、TPDDの略称は“タイムプレーンデストロイドデバイス”です。 どうも、以上です」 長門・キョン「どうもありがとうございましたー!」 キョン「ちなみに補足するが、時空断層はハルヒの件で前代未聞の現象らしいです」 長門「時間がなくなってきましたので、ではこの辺で」 キョン・長門・朝比奈「ではまた次回、お会いしましょう。さよなら~~」 エンディング「SELECT?」 yes enter.... 小さな小さな部屋で~ キョン「え、エンディングまで設定されているのか!?長門、このことは聞いてないぞ!」 長門「次回のゲストは・・・いない」 キョン「それは、残念だな。ではこれで本当にさよなら~~」 第三回 オープニング「雪、無音、窓辺にて。」 音も無い世界に 舞い降りた I was snow..... キョン・長門「はい!今日も始まりました。長門有希の~SF用語講座~!☆」 キョン「さて、長門。今日は何を説明するんだ?」 長門「時空の書き換え方法を今回は説明をする」 キョン「ではそういうことなので長門、よろしく!」 長門「そう。では説明する。 時空間情報を解析し、書き換える時間範囲をまず決める。 そして、涼宮ハルヒの持つ世界改変能力を奪い、改変する」 キョン「なんか、えらく単純だな。そんなに簡単なのか時空改変は」 長門「本来は四次元の範囲で計算するが、わたしは三次元で計算したため、上書きという方法で世界改変自体をリセットすることができる」 キョン「なるほど、そういうことだったのか」 長門「あなたが起動させた緊急脱出プログラムは四年前の七夕の日にタイムスリップさせる装置である。 そこで朝比奈みくる(大)に会わせたのも規定事項であり、また、既定事項でもある。 わたしの情報操作能力の限界はここまで。情報統合思念体本体はわずか数秒の時間で、この太陽系の情報を操作できる」 キョン「お前の親玉は凄いやつだな。まさに神に等しいと言っても過言ではないくらいに」 長門「それは、あながち間違いでもない。しかし情報統合思念体にもできないことはある」 キョン「へぇ、それはどんなことなんだ?」 長門「情報を何も無いところから、生み出すところ。情報統合思念体は涼宮ハルヒの能力に関心を持っているのは、そのため。あとは、時間操作。時間を凍結、つまり、止めることは可能だが、時間を過去未来に操作する事は不可能とされている。 統合思念体は時間を超越しているから、あまり意味がない」 キョン「情報統合思念体にもできないことはあるんだな。空間操作とかは、できるのか?」 長門「空間操作は可能。たとえば、台風を空間操作でエネルギーに変換したり、光のベクトルを操作して、 透明人間になることも可能。ほかには環境情報の改竄。しかし、これは後遺症が発生する確率が高いため、緊急時以外は使えない」 キョン「そういえば、あの時、言ってたよな。局地的な環境情報の改竄は惑星の環境や生態系に後遺症が発生するって。どうして、後遺症が発生するんだ?」 長門「それは、この世界に熱力学という学問があり、そのように世界が成り立っている。質量保存の法則が存在するように。どこか、他の地域の環境を改竄してもエネルギー保存の法則が存在するので、熱エネルギーを消滅させることが、出来ない。 よって、どこかで辻褄を合わせる必要がある。つまり、どこかで熱エネルギーを奪うと、また、違う場所で、熱エネルギーが発生する。と、いう事である」 キョン「エネルギー保存の法則と質量保存の法則は似たような法則なのか。 化学の授業で習った記憶はあるが、忘れているようだ」 長門「そう、似ている。エネルギー保存の法則は化学の熱化学方程式で習う。質量保存の法則は二酸化炭素の生成の実験で、習うはず。 高濃度の酸素中に火を点けた線香を入れると激しく反応し、二酸化炭素が発生する。反応する前の質量と反応後の質量が同じなのは、この法則があるためである」 キョン「…なるほど。そういうことか。おっと化学のことになってしまったので、話を元にもどして。結局、情報統合思念体はいったいなんなのか、長門にまとめてもらおう。よろしくたのむ」 長門「情報統合思念体は情報系の海から発生し、 肉体を持たない超高度な情報生命体。 情報だけで構成されており、高次の知識を持つ。 また、情報として存在するのでいかなる光学的手段を用いても、観測することは出来ない。 太陽系が形成される遥か前から存在し、発生段階から完全な形で存在していた。 情報をより合わせて意識を生み出し、情報を取込むことによって進化を遂げ、巨大化しつつ発展してきた。 そして情報操作能力は宇宙が熱死を迎えるまで無限に上昇するかと思われた。だが違った。 宇宙にも限りがあるように進化にも限界があった。その状況を打開する可能性は涼宮ハルヒの持つ、情報改変能力。 そして、今、現在にいたる。涼宮ハルヒの能力は完全に解析することはできなかった。 古泉一樹は涼宮ハルヒの発生させる、閉鎖空間と呼ばれる、次元断層の狭間に位置する空間に侵入する事ができる」 古泉「……次回説明しようと思ったのですが、長門さんに先に説明されてしまいました。残念です」 キョン「…って、古泉!!なぜここに!?」 古泉「では時間がなくなってしまったので、次回お会いしましょう。では、また」 キョン「人の話を聞け!!って時間のないのか…」 長門・キョン・古泉「では、みなさん! 次回会いましょう。さよなら~」 エンディング「SELECT?」 yes enter.... 小さな小さな部屋で~ 長門有希のSF用語講座_第三回収録後の後日談 キョン「あ~、やっと収録が終わったぜ。疲れた~。長門は疲れないのか?」 長門「有機生命体である以上、疲労やストレスもある。情報生命体であった頃は 肉体がないので、疲労やストレスもなかった。有機生命体になった今は、 疲労やストレスを経験し、色々と工夫をし、それらを減らすよう努力した」 古泉「やはり、長門さんでも疲れるんですか」 キョン「…って古泉! さっきなんで乱入してきたんだよ。びっくりしたぞ」 古泉「別にいいじゃないですか、そんな事」 キョン「…わかったぞ。お前は羨ましかったんだろ?お見通しだぜ」 長門「お見通し」 古泉「やれやれ、バレテしまいましたか」 キョン「そうだな…次回のゲストにしよう。ハルヒの発生させる閉鎖空間の解説と《神人》の 戦力などの解説役にしよう。長門はその補佐だ。長門、それでいいか?」 長門「別にかまわない。むしろ歓迎する」 キョン「よかったな、古泉。長門も歓迎するってよ」 古泉「ありがとうございます。では、来週また来ますよ、では」 キョン「えっと、次の予定は…SOS団ラジオ支部の見学か…」 長門「わたしは、SOS団ラジオ支部の収録にいく…一緒に来る?」 キョン「そうだな。久々にハルヒにも会えるし」 そして、俺たちは次の収録&見学にむかった… つづく?
https://w.atwiki.jp/meteor089/pages/116.html
長門「夏休みサイコー!」 ① ② 戻る 次へ 1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/29(火) 20 37 03.96 ID dS5GKq0JO 8月17日 朝倉「夏休みもあと二週間かー」 長門「……」 朝倉「なんだかんだであっという間よね」 長門「そう」 朝倉「学校行きたくなーい!」 長門「……」 朝倉「はぁ……憂鬱ね」 長門「まだ二週間ある」 朝倉「にゃー!」ゴロゴロ 喜緑「涼子、静かにしなさい」 5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/29(火) 20 46 25.21 ID dS5GKq0JO 長門「下着はここに入れとく」 喜緑「今週中にパスポートの手続きしなさいよ。日曜日までには北米の家に帰らないと」 朝倉「北米じゃないわよ。カナダよ、カ・ナ・ダ」 喜緑「あっちの学校も九月からでしょ」ムカッ 長門「……」 喜緑「いいから、さっさと支度しなさい」 朝倉「いやだー!有希ー!帰りたくないよぉぉぉぉ!」 長門「……」 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/29(火) 21 13 48.94 ID dS5GKq0JO 翌日 朝倉「はやくはやく!」 長門「待って」 喜緑「もう……遊びに行くってなったらすぐこれなんだから……」 朝倉「だって海よ!瀬戸内海!!」 喜緑「旅券取りに行くついでだからねー」 朝倉「わかってる!」 長門「楽しみ」 喜緑「……ふふっ そうですね」 朝倉「レッツゴー!」 Prrrrr!! 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/29(火) 21 16 04.91 ID dS5GKq0JO 喜緑「!」 朝倉「へっ!?」 長門「……」 Prrrrr... 長門「」ピッ 長門「もしもし」 ハルヒ『有希、あんた今日ヒマでしょ』 10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/29(火) 21 20 30.26 ID nZaGftu/O うわああぁぁぁぁぁぁぁぁあああっっっっっっ!!!!!!!!!! 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/29(火) 21 22 30.15 ID dS5GKq0JO 長門「今日はうm」 ハルヒ『プールよ!プール!!二時ジャストに駅前に全員集合だからねっ!』 長門「……」 喜緑「」コクッ 朝倉「だめよ!!」 喜緑「しっ」 ハルヒ『きいてんのー?』 長門「……わかった」 ハルヒ『ちゃんと来なさいよー』 13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/29(火) 21 30 50.78 ID dS5GKq0JO ハルヒ『おーばー♪』 長門「」ピッ 朝倉「有希……?」 長門「涼宮ハルヒからプールに誘われた。残念ながら海には行けない」 朝倉「……嘘でしょ」 喜緑「長門さんが行けないならしょうがないですね……瀬戸内旅行は中止で」 朝倉「だ、だったら涼宮さんたちも一緒に……」 喜緑「無理に決まってるでしょ!あきらめなさいっ!」 朝倉「しょんなぁぁぁぁ……」ヘナヘナ 長門「申し訳ない」 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/29(火) 21 45 25.79 ID dS5GKq0JO そのまた次の日 ハルヒ『浴衣買いに行くわよ!』 長門「了解した」 朝倉「……」 長門「いってきます」ガチャ 喜緑「いってらっしゃーい」 バタン! 朝倉「……なによ、二日連続で部活?」 喜緑「長門さんは色々と忙しいですから」 朝倉「私とえみりは友達なんていないもんねーっ」 喜緑「始業式までに生徒会の仕事がありますー」 朝倉「ふんっ!学校の委員会なんて、それこそ陰気な連中の集まりよ」 喜緑「なんですって!」 朝倉「うわ!ごめんなさい!!」 喜緑・朝倉「はぁ……」 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/29(火) 21 53 50.87 ID dS5GKq0JO 朝倉「暇ね……」 喜緑「暇ですね」 朝倉「海行きたい」 喜緑「それはまた来年」 朝倉「うー!」ジタバタ 喜緑「八月だけでも三回は行ったでしょ、もう十分じゃない」 朝倉「カナダはめちゃくちゃ寒いのよ、あっちで泳げる日なんてないわ」 喜緑「そうですか……」 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/29(火) 22 01 28.69 ID dS5GKq0JO 朝倉「あー!もうっ!なんかやることないのかしらー!」 喜緑「休みが多いのも困りものですね」 朝倉「っていうかさ、この部屋テレビすらないでしょ?」 喜緑「本なら何冊かありますよ」 朝倉「そうじゃなくて、なんかこう……遊戯的なモノは置いてないわけ?」 喜緑「トランプくらいなら……」ガサゴソ 喜緑「ありませんね」 朝倉「はぁ……」 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/29(火) 22 07 13.80 ID dS5GKq0JO 朝倉「買ってきてよ」 喜緑「なにを?」 朝倉「トランプ」 喜緑「えーっ」 朝倉「安っぽいのなら近くのコンビニに売ってるわよ」 喜緑「涼子が行きなさいよ」 朝倉「やだ」 喜緑「お菓子買ってきてもいいわよー」 朝倉「いく」 21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/29(火) 22 16 56.02 ID dS5GKq0JO 朝倉「ふっふっふー……買ってきたわよー、トランプ」シャカシャカ 喜緑「なにやるの?」 朝倉「大富豪」 喜緑「ああ、それなら知ってるわ」 朝倉「ねぇ、なにか賭けない?」 喜緑「えーっ」 朝倉「お金とか」 喜緑「いいわよ」 朝倉「えっ 即答?……今いくら持ってるのよ」 喜緑「32万」 朝倉「は!?」 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/29(火) 22 29 16.79 ID dS5GKq0JO 喜緑「あら、別に普通じゃない?」 朝倉「いやいやいや!絶対おかしいからっ!毎月どんだけもらってんのよ!?」 喜緑「支給金の額は、急進派も穏健派も変わんないでしょ」 朝倉「じゃあなんで!」 喜緑「特に買いたいモノがないからかな……長門さんにも聞いてみたら?多分わたしよりお金持ちよ」 朝倉「あの子は服とか興味ないし、常食レトルトカレーだし……結構貯まってそうよね」 喜緑「涼子が使いすぎなのよ。今いくらある?」 朝倉「二万四千円……」 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/29(火) 22 37 20.98 ID dS5GKq0JO 喜緑「ギリギリじゃないの」 朝倉「今月はおでんで乗り切るわ……」 喜緑「とか言っていつも私に泣き付いてくるのよねー」 朝倉「渡しなさいっ……その三十万」 喜緑「奪えるもんなら奪ってみなさいよ……!」 朝倉「舐めてもらっちゃ困るわ……!」 喜緑「(昼休みに会長といつもやってますからね。まぁ負けることはないでしょう)」 朝倉「いくわよ!」 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/29(火) 22 51 07.18 ID dS5GKq0JO 長門「ただいま」 喜緑「おかえりなさい」 長門「?」 朝倉「」ドヨーン 長門「どうしたの」 朝倉「有希ー!!えみりが!えみりが!」 長門「……」ジー 喜緑「ち、違いますよ。涼子が賭けようって言ったのが悪いんでしょ!」 朝倉「だからって全部持ってくことないじゃない……」グスッ 長門「仲良くして」 喜緑「もー!わかったわよ!!今月と来月分の食費くらいなら貸してあげます」 朝倉「わーい!ありがとー!えみり大好きっ!」 喜緑「結局、六万円も取られたわ……」 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/29(火) 22 56 12.38 ID hksLnyYG0 全部持って・・・つまり今朝倉は裸・・・か? 28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/29(火) 22 56 49.55 ID PdDquxym0 27 !!! 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/29(火) 23 04 33.67 ID dS5GKq0JO 長門「帰ってさっそくだけど……」 ハルヒ『有希ー!まだなのー?』ピンポンピンポン みくる『あのー……そんなに強く押したら壊れるんじゃ……』 長門「盆踊りに行ってくる」 喜緑「……ホントに大変ですね。車に気を付けて」 朝倉「あのさー、有希」 長門「なに?」 朝倉「テレビカッテー」 長門「……」 朝倉「でっかいの」 喜緑「こ、こらっ!長門さんが困ってるでしょう?」 朝倉「えみりがさー、見たい映画があるんだってー」 30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/29(火) 23 17 34.13 ID dS5GKq0JO 朝倉「なんかさー、大画面のーっ、しかもブルーレイで見たいらしーよぉー」 長門「そう」 喜緑「いいんですよ長門さん!!自分で貯めて買いますからっ!」 長門「構わない。私が払う」 朝倉「やったね!えみりっ!」 長門「お金」ドン!! 朝倉「きゃー!すごーい!」 喜緑「こ、こんなに……」 長門「みんなで観れる大きなテレビを買うといい」 喜緑「長門さん……」 朝倉「有希……」 長門「じゃ」 喜緑・朝倉「い、いってらっしゃいませ!!」 31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/29(火) 23 21 02.29 ID hksLnyYG0 長門さんオットコ前やでぇ 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/29(火) 23 28 06.66 ID nZaGftu/O そりゃキョンがお面買ってやるって言っても鼻で笑って断るわ 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/29(火) 23 38 42.20 ID dS5GKq0JO 喜緑「か、買っちゃったわ、アクオスのデジタルハイビジョン液晶テレビ……52型」ドキドキ 朝倉「あれ?これってどこが再生ボタンかしら?」 喜緑「ねぇねぇ!はやく見ましょうよ!!」 朝倉「まぁまぁ落ち着きなさいって」 喜緑「」ワクワク 朝倉「待ってなさいよー……ほらできた!」 ジャジャジャーン!! 喜緑「いやあああふぅあはッ!!おっきー!!!」 朝倉「はしゃぎすぎよー」 38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 00 00 36.55 ID PSV3UeLqO ディカプリオ『ろーず!』 知らね『じゃっく!』 ウィー・・・アッ!スメェー・・ホウエーアッーフォゥユアー! 喜緑「」ウルウル 朝倉「……」 喜緑「悲しいお話ね……」 朝倉「……Zzz」 喜緑「あれ?もうこんな時間?」 長門「そう」 喜緑「長門さん!」 長門「過度な視聴は身体に悪い」 喜緑「……すいません」 長門「テレビは一日六時間。ゆきりんとの約束」 喜緑「は、はい!」 40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 00 06 35.48 ID PSV3UeLqO またまた次の日 ハルヒ『セミ取り!』 長門「今日だけテレビ禁止」 喜緑「はい……」 長門「いってきます」ガチャ 朝倉「いってらっしゃーい」 バタン! 喜緑「グスッ……長門さんに叱られました」 朝倉「私寝てたのに、とばっちりよね」 喜緑「うぅ……ごめんなさい」 朝倉「んじゃ、DVD返してくるわー」 42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 00 18 13.63 ID PSV3UeLqO ズンタカタタッ!ズンタカタタッ!カイマスカシマス・・・ゲオ、ゲーオ!! 朝倉「ここはいつまで百円レンタルなのかしら」 朝倉「……にしてもよ、テレビが見れないとなるとまた暇になるじゃない」 朝倉「まったく……しょうがないわね。あのワカメは」 店員「いらっしゃいませ~。お求めの商品は?」 大人「えっーと、なんだったけ……?」 子ども「シルバーだよ!ソウルシルバー!!」 幼女「私ハートゴールドっ!」 店員「かしこまりました」 朝倉「ん?」 43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 00 28 13.20 ID PSV3UeLqO 喜緑「チェンジ……フルハウスだわ」 ガチャッ バタン! 朝倉「おかえみりー!」 喜緑「ただいま、でしょ」 朝倉「ククク……買っちゃった」 喜緑「なにを……?(まさか)」 朝倉「DSよ!DS!!」 喜緑「でぃーえす?」 朝倉「ゲームよゲーム!ほらソフトも一緒にっ!」 喜緑「……これ高かったんじゃない?(やっぱり、さっそく無駄遣いしてるわ)」 朝倉「あっ ゲーム機代、えみりの分は払ってね。二万円よ」 喜緑「なんですかそれ!」 46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 00 41 36.65 ID PSV3UeLqO 朝倉「ポケモンって知らない?」 喜緑「知りませんし、やりません」プイッ 朝倉「金バージョンと銀バージョンがあるけど、どっちにする?」 喜緑「だから、やりませんって……」 朝倉「じゃあ私が銀ねっ。はい、ハートゴールド」 喜緑「(なにこの孔雀……ださい)」 朝倉「これは復刻版らしいわ。リメイクされるくらいだからきっと面白いわよっ」 喜緑「……そんなに言うならやりますよ」 朝倉「万歩計も付いてるなんてお得よねー」テンテレン 喜緑「(あっ……銀バージョンの怪獣カッコいい)」 47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 00 49 40.72 ID PSV3UeLqO 喜緑「この三匹から選ぶんですか?」 朝倉「わたしワニノコーっ!えみりは?」 喜緑「このかわいらしいお馬さんで……」 朝倉「水タイプに対して草タイプってわけか……!臨むところねっ!」 喜緑「ん?……これって対戦できるんですか?」 朝倉「えっ そうでしょ?ほら、このパッケージに書いてあるし……」 喜緑「……」ピコピコ 朝倉「あっ!ちょっとー!先に進めないでよ」 喜緑「早い者勝ちです」 48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 01 00 51.61 ID PSV3UeLqO 長門「ただいま」 朝倉「いっけぇぇぇ!!オーダイル!!」 喜緑「させませんっ!デンリュウ!かみなり!!」 長門「……なにしてるの?」 朝倉「くそー!また負けたぁ!!」 喜緑「ふふふっ……」 長門「……」 朝倉「ルギアのレベルを上げてくるわ……」 喜緑「ちょっ!伝説は禁止ですからね!!」 朝倉「なによー、えみりは強いんだからいいでしょ」 長門「」ゴゴゴゴゴ・・・! 喜緑・朝倉「ハッ!」 49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 01 08 54.72 ID PSV3UeLqO 長門「それは」 喜緑「な、長門さん……」 長門「テレビゲーム」 喜緑「あわわわ……」 長門「座って」 朝倉「有希!?あのね、これはあれよっ!その、なんていうかあれよっ!あれだあれ!!……あれ?」 長門「座って」 喜緑「ち、違うんです長門さん!!これには訳がっ!」 長門「座って」 喜緑・朝倉「はい……」 長門「……」 朝倉「……」 喜緑「……」 51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 01 15 50.71 ID PSV3UeLqO 長門「今日の朝」 喜緑「はい」 長門「テレビは禁止、と約束したはず」 喜緑「はい……」 長門「この白い機械はなに?」 朝倉「……任天堂のwii」 長門「これは?」 喜緑・朝倉「ポケモンバトルレボリューション!!」 バァンッ!!! 朝倉「」ビクッ 喜緑「」ビクッ 長門「ざけんな」 55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 01 29 32.32 ID PSV3UeLqO 長門「没収」 朝倉「ああ……」 長門「明日までテレビとゲームは禁止」 朝倉「そんなぁ」 喜緑「わかりました」 長門「本当に?」 喜緑「うぅっ」ビクッ 長門「……」ジー 喜緑「……も、ももちろん!」 長門「あなたを信じる」 喜緑「ありがとうございます……」 56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 01 36 01.32 ID PSV3UeLqO 朝倉「ねぇえみりっ!一っ走りしてこない!?」 喜緑「へ?」 朝倉「ほ、ほらっ!インドア派の遊びばっかじゃいけないわよー?たまには外で身体を動かさないとねっ!」 長門「……」 喜緑「そ、そうですね!走りましょうか!!」 長門「頑張って」 喜緑・朝倉「いってきまーす!」 57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 01 38 39.76 ID PSV3UeLqO 朝倉「はっ!はっ!」 喜緑「はっ!はっ!」 朝倉「くそぅ……!またこいつかっ!!」 喜緑「きゃー!!遂にきました!なみのりピカチュウです!!」 朝倉「えーっ!いいなぁ」 長門「……」 DS「……」 長門「……」スッ DS「テンテレン」 長門「」ピコピコ 長門「!?……いけない」 58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 01 39 52.58 ID t05qZhV5O ポケウォーカーwww 59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 01 52 17.29 ID PSV3UeLqO 長門「……」ピコピコ 長門「このカビゴンというのは」 長門「……かわいい」 朝倉「おかえみりー!」ガチャ 長門「!」 朝倉「もう朝かー。走りすぎたわ……」 喜緑「ん?あっー!長門さんが涼子のDS触ってる!」 朝倉「え!?」 長門「これは……」 朝倉「そおぉおおぉおおい!!なにしてんのよぉぉぉぉぉ!!!」 長門「あっ」 朝倉「……よかった!ちょっといじくられてるけど、データは無事だわ!」 長門「勝手に遊んでごめんなさい」 喜緑「もしかして……長門さんもポケモンやりたいの?」 60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 01 56 20.21 ID PSV3UeLqO 長門「……」 朝倉「そうなの、有希?」 長門「」コクッ 喜緑「なんだー、言ってくれればよかったのにー」 長門「これはどこで売ってるの?」 朝倉「私たちのはゲオで買ったわよ」 長門「……買ってくる」 喜緑「あ、私も一緒に行きます」 61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 02 03 28.57 ID PSV3UeLqO みくる「ふえー」 キョン「あっちぃ」 古泉「いやはや、風船配りというのもなかなか辛い仕事ですね……」 ハルヒ「ごくろーさん!」 長門「」ピコピコ キョン「あれ?」 長門「」ピコピコ キョン「いないと思ったらこんなとこにいたのか……」 長門「」ピコピコ キョン「おーい、何やってんだ?長門」 62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 02 10 21.37 ID PSV3UeLqO 長門「ゲーム」 キョン「ゲームってお前……俺たちがこんな暑苦しい着ぐるみ被って風船配ってる間ずっと……」 長門「!?赤いギャラドスきたー」 キョン「……ま、いっか。楽しそうだし」 古泉「んふっ 貴方は長門さんに甘いですね」 キョン「いつも助けてもらってるしな、文句は言えんさ」 長門「モンスターボール」 長門「いまだ」ガチャガチャ!! みくる「ふぇ……」 長門「」ガチャガチャガチャ!! 64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 02 22 29.66 ID PSV3UeLqO 数日後 長門「勝った」 朝倉「負けた……」 喜緑「長門さんのバンギラス強いわね」 長門「」ムッフー 朝倉「ポケモンばっかやってる内に夏休みも終りねぇ……長かったような短いような」 喜緑「明後日から学校かー……って涼子あなたカナダ行きは!?」 朝倉「ワスレテター」 長門「……」 65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 02 30 55.46 ID PSV3UeLqO 喜緑「月曜の便が空いてるらしいわ」 朝倉「えっー」 喜緑「えーじゃない!学校はどうするの!」 長門「帰るの?」 朝倉「うん」 長門「」ブワッ 朝倉「有希……」 喜緑「やだわ、泣かないでよ長門さん……私まで……」ブワッ 朝倉「えみり……」 長門「……遠く離れていてもポケモンはできる」 朝倉「そうよね、便利な世の中。また来年会いましょう」 67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 02 40 36.78 ID QRwMbyBJ0 長門かわいすぎるだろ 68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 02 44 01.42 ID PSV3UeLqO ハルヒ「これで課題は一通り終わったわね」 ハルヒ「うーん。こんなんでよかったのかしら」 長門「……」 ハルヒ「明日は予備日に空けておいたけど、そのまま休みにしちゃっていいわ!」 長門「!」 ハルヒ「また明後日、部室で会いましょう」 キョン「ふぅーやれやれ……この二週間はあいつに振り回されっぱなしだったな」 みくる「すごく疲れましゅた……」 キョン「宿題やってねー」 古泉「ここ何日かはごたついてましたからね。どうでしょう?明日、一緒に片付けませんか?僕の家で」 キョン「断る」 70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 02 51 53.61 ID PSV3UeLqO 夏休み最終日 朝倉「じゃーねぇ!」 長門「ばいばい」フリフリ 喜緑「……行っちゃたわね、涼子」 長門「……」 喜緑「でも、まっ!今日一日使ってお別れパーティできたからいいですね、ね?」 長門「」コクッ 喜緑「帰りましょうか」 長門「朝倉涼子……」 71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 02 58 33.87 ID 8+0tCwiC0 いい話じゃねぇか・・・ 73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 03 06 31.29 ID PSV3UeLqO 喜緑「はぁー。空港から家までは長かったわね」 長門「そう」 喜緑「今日まで私が夕飯の支度しますから。長門さん、先にお風呂入ってください」 長門「わかった」 シャー 長門「……」 女子A『そうなのよ~、ほんと臭くってさ(笑)』 女子B『なにそれっ!チョ→ウケるんですけどww』ゲラゲラ 長門『……』 女子B『……あのさ、ほら、あそこ。ずっと本読んでる奴いるじゃん?あいつかなりウザくね?』 女子A『ん?……ああ、長門さんね。人見知りなのよ、察してあげなって』 女子B『そっか……え?なに?うわっ!それマジ?きも~いw』 長門『……』ペラッ 75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 03 13 34.26 ID PSV3UeLqO 長門「……」 喜緑「ご飯できましたよー」 長門「いただきます」 喜緑「今日は夏野菜カレーです!」 長門「……美味しそう」 喜緑「いつもレトルトのヤツじゃなくて、私がいない時でもこれくらい自分で作ってくださいね……?たまには」 長門「そう」パクパク 喜緑「(元気ないなぁ。長門さん……やっぱり涼子がいなくなって寂しいのね)」 長門「……」パクパク 78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 03 23 31.96 ID PSV3UeLqO 喜緑「くっ……!じしん!!」 長門「バクフーン、ふんか」 喜緑「負けましたね。ダメだ……やっぱり強すぎますよ」 長門「……」 喜緑「でも、これからはこの二週間みたいに毎日ゲームばっかりなんてできなくなりますね」 長門「!?……なぜ」 喜緑「えっ……だって、長門さんは涼宮さんたちといつも部活だし、私だって学校がある日は生徒会に顔出さないといけませんから」 長門「……」 喜緑「あら、もうこんな時間……じゃあ長門さん、また明日」スッ 79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 03 30 42.36 ID PSV3UeLqO 長門「……」ガシ 喜緑「ん?あれ……動かない」 長門「いや」キュッ 喜緑「長門さん?」 長門「行かないで」 喜緑「……」 長門「ここにいて……」 喜緑「うふふ……今日は一緒に寝たいんですか?」 82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 03 38 03.47 ID PSV3UeLqO 長門「……」 喜緑「もー、そんなんで明日大丈夫なんですかぁ?」 長門「……」キュッ 喜緑「(うわ!な、長門さんが泣いてる……の?)」 長門「……」ブルブル 喜緑「……ホントにどうしたんですか?」 長門「怖い……」 喜緑「えっ」 長門「学校が怖い」ガタガタ 84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 03 50 02.80 ID PSV3UeLqO 喜緑「……」 長門「あんな……好きでもない人達と……共に半日も過ごさないといけないなんて考えられない……」ガタガタ 長門「教室に漂う、あの独特の……よだれ臭い匂いが嫌い……」ガタガタ 長門「教員の怒号がうるさい……授業なんて胸がツマるだけ……」 喜緑「……」 長門「学校に行きたくない」 喜緑「……多分、大体の人が同じこと考えてますよ。休みあけなんてそんなもんです」 長門「ううぅ……」ガタガタ 88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 04 00 21.32 ID PSV3UeLqO ハルヒ「ううぅ……」ガタガタ ハルヒ「学校行きたくないわねぇええ……」ガタガタ ハルヒ母「馬鹿なこと言ってないで、はやく寝なさい」 ハルヒ「だってあんなに楽しい夏休みは初めてだったから……」 ハルヒ母「はいはい、その話は何度も聞いたわよ」 23 59 チッチッチッ・・ ハルヒ「もう一回夏休みやりたいわぁ……」 ハルヒ母「あら、もうこんな時間」 ハルヒ「よーし……時よ戻レ!!」 ハルヒ「なんつって」 00 00 チーン 92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 04 12 12.16 ID PSV3UeLqO 長門「!」 喜緑「!?」 グニャアアア~ン 長門「これは……」 喜緑「ちょっと!これってタイムリープの……っ!」 ズキュュュュュュ―――z____ン!!! 94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 04 17 59.67 ID PSV3UeLqO バンッ! 長門「……」 喜緑「無事ですか、長門さん。うっ……頭が割れそうになりましたぁ……」 長門「一体なにが」 朝倉「あれ?」 長門「!」 喜緑「り、涼子……?」 朝倉「変ね、私さっきまで飛行機のトイレで……」 95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 04 25 56.11 ID PSV3UeLqO 喜緑「あなたどうして……?」 長門「!?……日付が」 8月17日 朝倉「へっ」 喜緑「もしかして……また涼宮さん?」 長門「おそらく」 喜緑「夏休みが終わってほしくないと願ったとか……?」 長門「おそらく」 喜緑「嬉しそうですね」 朝倉「えっ!?嘘!!いま夏休み!!?」 96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 04 32 23.14 ID B+oeTTzGP ハルヒGJ 97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 04 36 32.33 ID PSV3UeLqO 長門「そう」 朝倉「ヒィィィヤッホオオオオオイッッッ!!!!」 喜緑「しっー!まだ早朝なんだから、静かにしなさい!涼子!!」 長門「」ズンチャ♪ズンチャ♪ 喜緑「な、長門さん?」 朝倉「サイコー!!まだ二週間もわ!!」 長門「」ドンドコドンドコドコ!! 喜緑「やめてくださーい!!近所迷惑ですよー!!」 長門「そういう貴女も笑っている」 喜緑「こ、これは違いますよ……ふふっ」 99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 04 39 06.40 ID EwHqIdzh0 ループ1回目はまだこのテンションだったんだなあ 100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 04 39 07.90 ID PSV3UeLqO 長門「そう」 朝倉「ヒィィィヤッホオオオオオイッッッ!!!!」 喜緑「しっー!まだ早朝なんだから、静かにしなさい!涼子っ!」 長門「」ズンチャ♪ズンチャ♪ 喜緑「な、長門さん?」 朝倉「サイコー!!まだ二週間もあるわ!!」 長門「」ドンドコドンドコドコ!! 喜緑「やめてくださーい!!近所迷惑ですよー!!」 長門「そういう貴女も笑っている」 喜緑「こ、これは違いますよ……ふふっ」 131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 13 03 31.88 ID PSV3UeLqO 朝倉「確か、17日って徹夜してたわよね?」 喜緑「そうよ。涼子が帰りたくないってごねるから、明日は海に行きましょうと言ったら、もうさらに騒いで……」 Prrrrr!! 朝倉「あっ」 長門「……」ピッ 長門「もしもし」 ハルヒ『有希、あんた今日ヒマでしょ』 長門「そう」 ハルヒ『プールよ!プール!!二時ジャストに駅前に全員集合だからねっ!』 喜緑「デジャヴですね……」 長門「……」 ハルヒ『きいてんのー?』 長門「……わかった」 ハルヒ『ちゃんと来なさいよー』 133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 13 21 30.83 ID PSV3UeLqO 朝倉「あと二週間も休みがあるのか……」 喜緑「思念体の意向としては観測を続けるそうですね……。私たち、これからどうしましょうか?」 朝倉「旅行したいわー」 喜緑「無理よ。前と同じことが起きるなら長門さんはずっと涼宮さんたちと一緒のはずよ。精々一日暇があるかどうか……」 朝倉「海に行こう!うみっ!!」 喜緑「だから、だーめーでーす!!」 長門「ない……」 朝倉「へっ?」 長門「私のDSiがない……」プルプル 134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 13 44 30.42 ID PSV3UeLqO 朝倉「なにがないって……?」 長門「私のソウルシルバーが……ノコッチ、ポポッコ、クロバット……」 喜緑「あぁ!!本当です!!テレビもwiiもブルーレイレコーダーも消えちゃってます!!!」 朝倉「しょんなぁぁぁぁ……」ヘナヘナ 長門「デジャヴ」 喜緑「どうやら時間が巻き戻されると同時に周りにあったモノ全てが元どおりになるそうですね……当たり前か」 朝倉「えーん!有希ー!なんとかしてよぉー!」 長門「情報統合思念体にアクセス……8月31日の時点でこの既知空間上にあった電子機器、および蓄積データを再生する許可を申請」 135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 13 45 41.63 ID kQrTJHfBO 情報統合思念体「だめよ」 137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 14 08 14.33 ID PSV3UeLqO 長門「……できた」 朝倉「あぁああぁ~!!よかったぁ……」 喜緑「ふぅ……ちょっと焦ったわ」 朝倉「もうこれ無しじゃ生きていけないからね」 長門「……プールに行ってくる」 朝倉「ありがとう有希!いってらっしゃーい!!」 長門「」コクッ 140 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 14 24 35.39 ID PSV3UeLqO 喜緑「……さて、どうしましょうか」 朝倉「うーん。ぶっちゃけもうポケモンは飽きちゃったのよね」 喜緑「前言を覆しましたね」 朝倉「今だったらゲーム機が沢山あるじゃない?」チラッ 喜緑「だからなんですか」 朝倉「そろそろ新しいのが欲しいなぁ……」チラッ 喜緑「こっちを見ないでください」 朝倉「いいじゃないのねぇええ!!買って買って買ってー!!」 喜緑「あー!!もーっ!!」 141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 14 47 57.21 ID PSV3UeLqO 喜緑「結局ゲームソフトばっかり買わされました……」 朝倉「えへへ、ありがとえみりぃ」 喜緑「どーいたしまして」 朝倉「よし!じゃあはやく家にかえ……そうだわ。夕飯のおかずも買わないと」 喜緑「そういうことはまめね」 朝倉「今日は何にする?しょうが焼きもいいけど、冷やし中華も捨てがたいわね……長門さんが大好きだし。あと、四丁目のスーパーでレバ刺しも売ってたはずよ」ブツブツ 喜緑「(ズボラに見えて結構家事が得意なのよね、この子は。きっといいお嫁さんになるわ)」 朝倉「ってことで会計よろしくー!」 喜緑「でもやっぱりお金は私が払うんですけど……」 143 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 15 03 19.95 ID PSV3UeLqO 長門「ただいま」 喜緑「おかえりなさい」 朝倉「ほら有希、見て見て!!スマブラにwiiスポーツにマリオカートっ!!」 長門「……」 喜緑「こ、こら涼子!また怒られるわよ!」 朝倉「ハッ!」 長門「……構わない」 喜緑「そうですか……」 長門「私もやりたい。けど、まずはごはんが食べたい」 朝倉「今晩はすき焼きパーティーよ!」 長門「そう」ジュルリ 148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 15 26 57.94 ID PSV3UeLqO ハルヒ『えっ 浴衣持ってないの?』 長門「そう」 ハルヒ『うーん……そっかー』 長門「……」 ハルヒ『それなら私が選んであげるわっ!今日みんなで買いに行きましょ!!みくるちゃんのもついでに!!』 長門「わかった」 ハルヒ『じゃあまたあとで!』プツ 朝倉「取ったどー!スマッシュボール!!」 喜緑「うわあ!なによそれっ!反則です!!」 長門「……行ってきます」 朝倉「はいはい、いってらっしゃーい」 長門「……」 149 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 15 42 41.91 ID PSV3UeLqO 喜緑「長門さん!後ろです!!」 長門「……」サッ 朝倉「あっ!またアカこうら避けた!!こらーっ!あんたら勝手に組んでんじゃないわよ!!」 喜緑「私たち仲間ですもん、ねー」 長門「ねー」 朝倉「くっ……!有希!!次はぷよぷよで勝負よっ!!」 長門「かかってこい」 喜緑「ん?」 8月30日 喜緑「……あれ!?もう明日で夏休み終わりじゃないですか!!」 朝倉「えぇ!!?」 長門「」ガーン 150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 15 56 30.52 ID PSV3UeLqO そしてまた最終日 喜緑「はやく行かないと乗り遅れますよ!」グイグイ 朝倉「いやだー!帰りたくないよー!!」 長門「朝倉りょーこぉーっ」 朝倉「ゆきー!!ゆぅぅきぃいいぃいいいい!!!」 ガチャ バタン! 長門「あっ」 シーン 長門「……」ジワッ 長門「うぅ……うぅ……っ!」ポロポロ 長門「学校行きたくない」ガタガタ 153 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 16 15 05.23 ID PSV3UeLqO 長門「お願い……もう一度夏休みを……」 長門「神さま」キラン ハルヒ「フォー!!」 ハルヒ「なんだか無性に踊りたくなってきたわーっ!」ズンズンズン♪ ド ド ド ド ド ド ド ド ハルヒ「時間なんて爆発しちゃえばいいのよ!!」 グニャアアア~ン ハルヒ「吹っ飛べッ!バイツァ・ダストォォッッッ!!!」 ズキュュュュュュ―――z____ン!!! 154 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 16 23 02.96 ID PSV3UeLqO バンッ! 長門「……」 朝倉「……」 喜緑「……」 長門「おかえりみ」 朝倉「ただいま……」 朝倉「ただいまっ!!」 長門「朝倉涼子」ダキッ! 朝倉「有希っ!」ダキッ! 喜緑「またですか……」 朝倉「っっッしゃあああ!!私たちの夏はまだまだ終わらないわよぉぉ!!」 長門「いえーい」 155 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 16 35 34.50 ID PSV3UeLqO Prrrrr... 長門「」ピッ 長門「もしもし」 ハルヒ『有希、あんた今日ヒマでしょ』 長門「……」 ハルヒ『ちょっと!聞いてんのー?』 長門「……」チラッ 朝倉「」コクコクッ! ハルヒ『プールよ!プール!!二時ジャストに駅前に全員集合だからねっ!』 長門「……行けない」 ハルヒ『へ?』 長門「行けない」 ハルヒ『行けないって……どういうことよ!?』 長門「今日は予定がある」 157 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 16 47 54.50 ID PSV3UeLqO ハルヒ『何よ、それってSOS団よりも大事な用なわけぇ?』 長門「家族で海に行く」 ハルヒ『海!?私たちも連れていきなさいよ!!』 長門「いい」 喜緑「ちょっ!長門さん!」 長門「その代わり私の家族には手を出さないでほしい。約束」 ハルヒ『はぁ?そんなことするわけないじゃない!』 長門「貴女ではなく男性陣が」 ハルヒ『……どーいう意味?』 長門「私の姉妹はナイスバディ。彼女たちの水着姿を見て彼のおにんにんがそそり立つ恐れがある」 159 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 16 57 30.95 ID PSV3UeLqO ホワンホンホワ~ン キョン「ぐへへへ……いい身体してんじゃねぇか」 長門姉「いや。止めて」 キョン「げへっ!口では拒んでてもここは正直だぜ……!」 長門姉「んっ」ビクン! キョン「ほらよ、しゃぶれや」コプ 長門姉「ッ!!」 キョン「うっ!」ドピュ 長門姉「きゃあ!」 キョン「はぁはぁ……お前を思ってこんなに出しちまったぜ……」 長門姉「いや~ん///」 161 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 17 06 03.18 ID PSV3UeLqO ハルヒ『……』 長門「もしそれができないなら……」 ハルヒ『い、いいわ!やっぱやめとく!!』 長門「そう」 ハルヒ『ま、家族との団欒も大事よね。楽しんできなさい!』プツ 朝倉「やったー!」 喜緑「よかったわね」 長門「いざ、瀬戸内へ」 163 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 17 25 11.57 ID PSV3UeLqO 八時間後 朝倉「あー!楽しかった!!やっぱり海は瀬戸内よねー!」 長門「時間が戻ったらまた行く」 朝倉「うん!」 喜緑「あっ 待てください。少し映画館に寄りませんか?」 朝倉「え?なんでよ?」 喜緑「ち、ちちょっとトイレに……」 長門「!!……まさか」ガサゴソ 喜緑「な、長門さん……」 長門「あった」 朝倉「DS?」 喜緑「あわわわわ…」 長門「やっぱり……」 165 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 17 38 26.56 ID PSV3UeLqO 朝倉「なに?こんなとこに来てまでポケモン?」 喜緑「あの、その……」アタフタ 長門「今、公開中の映画を忘れた?」 朝倉「えっ なにか面白いのやってたっけ?」 長門「アルセウス」 朝倉「あっ!!」 長門「一人だけ……ずるい」 喜緑「ホントにごめんなさい!!」 168 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 17 54 12.94 ID PSV3UeLqO 朝倉「うわああああ!!なんで言ってくれなかったかなぁ!!?」 長門「私もDS持ってこなかった。うかつ」 喜緑「……」 長門「言っておくが」 喜緑「」ビクッ 長門「アルセウスごときで私は倒せない」 喜緑「マジッスカ・・・」 朝倉「でも欲しいんでしょ?」 長門「……幻のポケモンはみんなで手に入れる。だから今日はダメ」 喜緑「うわーん!ぜっがぐごごまでぎだのに゛ぃぃぃ!!」 朝倉「あきらめなさい」 171 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 18 05 27.59 ID myR4jYSZ0 コイツらどんだけポケモン好きなんだw そして朝倉はポケモン飽きたんじゃないのかw 172 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 18 10 33.16 ID qj4hLGzB0 171 お前は限定とかって言葉にそそられないのか? 173 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 18 18 59.27 ID PSV3UeLqO ハルヒ『セミ取りよ、セミ取り』 長門「今日は行ってくる」 朝倉「はーい」 喜緑「いってらっしゃい長門さん」 バタン! 喜緑「……ねぇ涼子」 朝倉「なに」 喜緑「私たち、このままでいいのかしら……?」 175 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 18 30 06.72 ID PSV3UeLqO 朝倉「この繰り返される夏休みのこと?」 喜緑「うん。だってループの記憶があるのは私たちだけなんでしょ?いつまでも涼宮さんを放っておいていいと思う?」 朝倉「仕方ないでしょー。私たちの役目は厭くまで観察なんだから」 喜緑「それは、そうだけど……」 朝倉「しつこいわねー。わかった、まだ映画館のことで拗ねてるのね!」 喜緑「ち、違います!」 朝倉「もー、えみりったら可愛いっ!!」 177 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 18 45 22.94 ID PSV3UeLqO 朝倉「それに私たちが勝手に動くとなれば長門さん、主流派の連中が黙ってないわよ。結果的にインターフェースが直接関わってたら意味ないもんね」 喜緑「そうかなぁ」 朝倉「カナダ送りにされたくなかったら静観することね」 喜緑「うーっ」 朝倉「さっ!ゲームの続き続き!!」 喜緑「……でも」 朝倉「なによ……まだなんかあるの?」 喜緑「ずっーと遊んでばっかりなのもダメじゃないかしら」 179 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 18 56 46.69 ID PSV3UeLqO 喜緑「ほら、私達って現時点で通算一か月はゲームしかやってないでしょ……」 朝倉「だって暇なんだもん。やることないし」 喜緑「……例えばよ、この夏を涼宮さんがあと数十回、何百回とやり直したりしたらどうするの?」 朝倉「いやー……流石にそこまではないでしょ」 喜緑「だから例えばよっ!何年もテレビ、ゲーム漬けなんて馬鹿になっちゃうわ!!」 朝倉「まぁね」 喜緑「もっと時間を有意義に使った方がいいと思わない?勉強とかさ」 朝倉「えっー」 180 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 19 08 44.05 ID PSV3UeLqO 長門「ただいま」 喜緑「」カキカキ 朝倉「」カリカリ 長門「?」 朝倉「……ねぇ、えみり。この問題なんだけど」 喜緑「よく読んでみて。そこは同じ条件だから反復方式なの。だから……」 朝倉「そっか、じゃあ……ここをこうすれば……」カリカリ・・ 長門「(あの眉毛とワカメが……勉強してる)」 喜緑「あら、長門さん。おかえりなさい」 朝倉「おかえみりー」 181 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 19 21 01.04 ID PSV3UeLqO 長門「」ピコピコ リンク「せいやああああ!!」 喜緑「うーん。難しいですね……」 朝倉「ゆきー、ちょっと音量下げてくんない?」 長門「……わかった」 朝倉「ごめんねー。もう少しで終わるから」 長門「……」 リンク「ウワァアアァアアアア!!」 182 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 19 31 54.94 ID PSV3UeLqO キョン「ぶへー」 古泉「ふぇ……」 みくる「ふぇ」 長門「」ピコピコ 古泉「なんとか配り終えましたね」 みくる「そうでしゅね……暑かったぁ」 長門「」ピコピコ キョン「……なぁ長門よ」 長門「なに」ピコピコ キョン「本以外のことに興味を示すのはいいことだけどさ、ゲームばっかやってるとアホになっちまうぞ?」 長門「」ガーン キョン「ほどほどにしとけよー」 長門「……」ボトッ みくる「あ、ゲーム落しましゅたよ」 183 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 19 41 27.56 ID PSV3UeLqO ハルヒ「解散ッ!!」 古泉「ではまた」 長門「……」トボトボ 長門「私は何をやっているんだ」 ガチャ 長門「ただいま」 喜緑「」カキカキ 朝倉「」カリカリ 長門「……」 184 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 19 50 08.35 ID PSV3UeLqO 朝倉「長文問題って意味がわからないわー」 喜緑「スラッシュリーディングなら知ってるでしょ?最初のうちは読めなくてもいいから、どれが主語なのかくらいは理解してね」 朝倉「単語帳が欲しいわねー」 喜緑「あ、長門さん。おかえりなさい」 長門「……なんで」 喜緑「ん?」 長門「なんで勉強しているの」 193 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/30(水) 20 21 21.12 ID PSV3UeLqO 朝倉「んー、将来のためかなぁ」 長門「大学行くの?」 朝倉「それはまだ決めてないわよ」 長門「では何故」 喜緑「このループを有効的に過ごさないかーって涼子と話してたんですよ」 長門「……」 朝倉「終わらない夏休みなんて勉強するにはもってこいでしょ?今こそが周りと差をつけるチャンスよ!」 長門「なるほど」 喜緑「長門さんも一緒にどうですか?」 長門「やる」 朝倉「ふっふっふ……逆に利用してやるわ、涼宮さん」 戻る 次へ
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/1243.html
~長門バカ~ 第1部 もし長門がバカだったら 第2部 帰ってきたバカな長門 第3部 新・もし長門がバカだったら 第4部 続・もし長門がバカだったら【3バカ娘編】 第5部 もし長門がバカな上にいなくなったら 第51話 特別長編 もしバカな長門に遊園地に誘われたら 第6部 もし長門がバカだったら・改 第7部 もし長門がバカだったら・零式 第8部 もし長門がバカだったら・百八式 第9部 もし長門がバカだったら・セミファイナル 第10部 もし長門がバカだったら・ファイナル 第100話 もし世界がバカだったら 完結 ───九曜編 ● . .
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/172.html
12月も半ばを過ぎ寒い日が続く。 今日の洗濯当番は長門だったらしい。 PUKAPUKAエプロンをつけて洗濯物を干しているのだが…… 「なんだあれは……」 なにやらどでかい靴下が干されている。 少なくとも人間が履けるサイズではない。 しかも片方だけだしどう見ても不自然だ。 しばらく靴下を見ながら首をひねっていると洗濯物を一通り干し終わった長門が近づいてきた。 「どうしたのだ提督、何か用か?」 「いや、用というほどのものでもないんだが……あのでかい靴下は誰のだ?」 別に隠すようなことでもないので好奇心半分に聞いてみる。 「ああ、あれは私のだ」 「何!? いや、待て。どう見てもサイズが大きすぎるだろう!?」 「フッ…早とちりをするな。履く為に持っているわけではない」 「じゃあなんだ?」 「もうすぐクリスマスだからな、西欧の風習とは言え楽しみなのだ」 「はぁ……」 クリスマスとでかい靴下と長門がイマイチうまく組合わさらない。 「そして!」 ビシッとこちらに指を突きつける長門。 「クリスマスといえばサンタさんの贈り物! あれはそのために私が一年をかけて縫ったものだ!!」 「………」 言葉を失いつつも靴下の方に目を凝らしてみる。 「ま、まぁ慣れない事をしたので多少不格好ではあるが完成時にはかなり汚れていたのでな。 そこで一旦洗濯したというわけだ!」 言われてみると縫い目の幅やら縫い方がかなりめちゃくちゃで 靴下というわかりやすい形でなければなんだかわからない出来である。 「つ、つまり…あれはプレゼントをもらう用のモノと?」 「その通りだ! 今までも貰えていたがやはりサイズ的に限界があったのでな!」 思わず頭を抱えそうになる。 大和ほどではないが長いあいだ箱入り娘状態で過ごしていた彼女は 戦場でこそ勇猛なもののどこか世間ずれしているところがある。 おおかた今までは陸奥あたりがプレゼントを入れてやっていたのだろう。 「これだけ大きければいいものがもらえるに違いない。提督もそう思うだろう?」 「お……おう……」 「どうした?覇気がないな! サンタさんは元気な子にしていなければ来てはくれないぞ! ハッハッハ!」 「そ、そうだな」 たぶん貰っていない(買っていない)陸奥あたりのことを言っているのだろう。 乙女()の夢を壊すのも悪いと思い、提督はそそくさとその場をあとにするのであった。 そしてクリスマス当日の夜になった。 「ん? どうした陸奥」 秘書官をしていた陸奥が突然立ち上がり頭を抱えたのだ。 「ど、どうしよう……」 「何かあったのか?」 「え、いや…その……あーっ、もう、い、一応秘密にしてね?」 しどろもどろになりながら説明をはじめる陸奥。 「あー……つまり長門へのクリスマスプレゼントを買い忘れたと」 「あら、驚かないのね?」 「この間でかい靴下干してるの見たからな」 「そうなのよ……今年は特に楽しみにしてたから。でも最近忙しくてつい忘れちゃってて」 「しかしなにか買いに行くにしてももう時間が時間だしなぁ……」 「そうなのよね……ね、ねぇ提督なんでもいいからプレゼントにできそうなもの持ってないかしら?」 「無茶ぶりをするな、とはいえまぁ最近秘書官として突き合わせてたというのも原因だしなぁ……」 「お、お願いだから」 「とりあえず探してみる、中元やら歳暮の残りやらを探せばなんか出てくるだろう」 「ありがとう、助かるわ……って、あ」 「そういえばお前これから遠征だったか、こんな時期にすまんとは思うが」 「そうなのよね……プレゼント届けるのもお願いしていいかしら?」 「それはいいが……誰かに見つかって妙な誤解をされると困るんだが」 「下手にほかの娘に頼んで話が広まっちゃっても困るし……お願い」 「はぁ……了解。何とかしておくよ」 そう言うと陸奥は遠征の準備のため慌ただしく部屋を出ていった。 「とはいったもののクリスマスプレゼントにふさわしいものねぇ……」 中元や歳暮等で残っているものといえばせいぜいが酒とかそんなものである。 「さすがサンタのプレゼントには苦しいよなぁ……」 しかし陸奥からいつもどんなものを送っているかを聞いていなかったために 何を送ればいいのか見当がつかない。 本人に聞こうかとも思ったが棚をあさっているあいだに就寝時間が過ぎていた。 あれで長門は早寝早起きだ、既に寝てしまっているだろう。 「ああもうこれでいいか」 あの靴下にはとても見合わないが無いよりはいいだろう。 とりあえず一番高そうな酒とツマミのセットを持って長門の部屋に用心深く進む。 なんとか誰にも見つからず長門の部屋に到着し、軽くノックする。 全く反応はない。 既に長門は熟睡しているようだ。 普段なら鍵をかけているはずだが陸奥曰く「サンタさんが入ってこれなくなると困るから鍵は空いてるはずよ」 との言葉通りノブを回すとあっさりとドアが開いた。 ドアを閉め、ソロソロと忍び足で侵入する。 薄暗い中目を凝らすと眠っている長門の横に例の靴下が置いてあるのがわかった。 (さて、とりあえずこれ置いてさっさと帰るか) 靴下に潜り込み奥にプレゼントを置こうとしたのだが…… (ちょっ、なんだこれ、い、糸が絡みついて進めん! というか戻れん!!) 荒く複雑な裁縫のせいで魔境と化していた靴下に捉えられ、身動きが取れなくなってしまった。 (ど、どういう縫い方してるんだって、うわっ!) ガン!! もがいていると足を滑らせて膝を床に強く打ちつけてしまった。 同時に傍の長門から起き上がる気配がする。 (ヤ、ヤバイ、どうしよう) 「な、何者だ!? って靴下が動いてるだとっ!?」 (か、完全に気づかれた!) 同時にグイっと靴下が持ち上げられる。 「ま、まさか……」 ゴクリと唾を飲み込む。 「サンタさんかっ!?」 ズコーッ!! 思わず持ち上げられた靴下の中で盛大にずっこける。 ビリッ… (げ!) ビリビリビリドサー! 「いってぇ!」 ズッコケたところの縫い方が甘かったのか靴下の下が空き、プレゼントを中に残したまま床に放りだされてしまった。 「て、提督だと!?」 (か、完全にバレた! すまん陸奥!!) 「ま、まさか……そんな……」 「な、長門……そのだな……」 無駄とは分かりつつも経緯の説明をし、夢を壊した罰は受け入れよう。 そう思って口を開きかけ…… 「こ、今年のプレゼントは提督だったのか……」 硬直 (え、なんでそうなんの!? というか俺がプレゼントって(意味深)なことになってしまうじゃないか!?) どう説明をしようかと長門を見ると珍しく顔を赤くし、手足をもじもじさせている。可愛い。 「そ、その……私は初めてなのだ……や、優しくして欲しい」 「あ、ああ……(い、いいのか?)」 しかしここでやめてしまっては色々な意味で酷い事になるだろう。 なにより目の前の長門は普段の凛々しさなどどこへやら、不安げな中に期待を込めた視線を送ってきてる。可愛い。 長門の腰に手を回しゆっくりと抱き寄せる。 「あっ……」 抵抗することなく簡単にこちらの胸に収まってしまう長門。 そして顔を近づけると察したのか上を向き目を瞑る。 そのまま長門の唇を奪うと柔らかい感触が脳に刻まれる。 唇を離すと「これが……接吻というものか。悪くない、な」 うっとりとした顔でそうつぶやいた。 そっと長門の体を布団に横たえる。 横になった体をほぐすようにゆっくりと撫でていく。 「あ……んっ」 見た目通り引き締まっているがそれでもやはり柔らかい女の肌を堪能したあと、さらに柔らかい箇所へ手を伸ばす。 二つの双丘がムニムニと面白いように形を変える。 その刺激に耐えるように顔を赤らめながらも口をギュっと結ぶ彼女に再び唇を合わせる。 「ンンッ!」 突然の事にびっくりしたのか長門の体がビクリと跳ね、同時に揉まれている箇所からの反応が強くなる。 そっと上着をまくると形の良い乳房が露わになり、吸い寄せられるように舌がその先端へと向かってゆく。 チュッチュルルッレロレロレロチュゥゥゥー 「ふぁっ!? て、提督!? そ、そこを吸っても乳はでな……あんっ!」 初めて味わう未知の感覚に体を震わせる長門。 そんな彼女を昂ぶらせるように手でもうひとつの乳房に手を伸ばし、絞り上げ先端をつまむ。 コリコリと乳首を甘噛みしてやると長門の口から甘い吐息が漏れるようになってきた。 そろそろ大丈夫か、とそっと両足の付け根に手を伸ばす。 胸への刺激に夢中になっている長門は気づかれずにそこに手を這わせることに成功する。 「んくっ……あぁっ!? て、提督、そこは!」 返答を待たずに既に湿り気を帯びているそこを下着の上から何度もなぞるとどんどん湿り気が強くなってきた。 下着をずらし直接触れてやると既にヌルヌルとした愛液が割れ目の中から溢れ出てきていた。 指で押し広げながら中指の腹で擦ってやると普段の彼女からは聞くことのできない嬌声が耳に飛び込む。 「あっ…ダ、ダメだ……提督、そ、そこを触られると私は……私はっ!」 その反応がたまらず、今度は頭の位置をそこまで下げ、直接舌を這わせる。 さすがにびっくりした長門が頭を押して離そうとするが、舌の触れる方が早くその刺激で手に力が入っていない。 「や……ぁ……提督……そこは……汚……あぁっ!!」 ピチャピチャとわざと音を立てて舐めてやるとただでさえ赤くなっている長門の体が羞恥でさらに赤くなる。 そして同時に秘裂の奥からはどんどん蜜があふれてくる。 それを舌ですくい上げ、音を立てて飲み干す。 ジュル、ジュルルルル 「は、恥ずかし……やっ……て、提督! それ以上されたら……や、やめ……あ、あぁぁぁぁ!!」 舌で皮をむいたクリトリスを強く吸い上げてやると体をビクビクと跳ねさせながら長門が絶頂を迎えた。 愛液が秘裂より吹き出し提督の顔を汚す。 快楽の余韻に浸っている長門をみてゴクリと喉を鳴らしつつ、カチャカチャとズボンを脱ぎこれ以上ないほど勃起したそれを取り出す。 「す、すごい……これが殿方の性器か……」 「長門……いいか……?」 最後にもう一度だけ確認すると長門は微笑みながら頷いた。 十分に濡れた割れ目に肉棒を押し当て、愛液をまぶしながら徐々に挿入していく。 「くっ…くううぅ!!」 さすがに痛みが勝るようだ、一旦動きを止め、長門の体が落ちつくのをまってからまた少しだけ進む。 この繰り返しで処女膜を破り、ようやく彼女の一番奥深くまで肉棒が差し込まれた。 「全部……入ったぞ……」 「はぁ……はぁ……不思議なものだな……痛みは感じるのに全く別の感触も感じる……」 そういう長門の体を愛撫しながら注意深くピストンを開始する。 最初はうめき声だった長門の声に徐々に甘いものが混じりつつある。 同時にきつかった中も分泌された愛液によってだんだん滑りが良くなってくる。 「長門……大丈夫か?」 「ああ……まだ少し痛むが……」 「ならゆっくりにしたほうがいいか」 「フッ、ビッグ7を侮るな。この程度の痛み道ということはないさ それに、その……激しくしてもらうほうがその……気持ちいい」 可愛い リクエストに応えるべく荒々しく奥につきこんでやると締りの良い膣がもっともっととでもいうように肉棒を締め付けてくる。 もともと長門を痛がらせないように我慢していたのでそろそろ限界に近い。 「クッ……長門、すまん。そろそろ限界だ!」 「あっあっ! 提督! 私も何か変な感じが来る! あっ! あぁぁぁぁぁぁ!!」 「グッ!!」 ドクン!! 長門の一番奥に叩き込んだ瞬間、我慢していた欲望が解き放たれ彼女の子宮を白濁液が満たしていく。 その感触を長門は体中を震わせながら受け止めていた。 そのまま眠ってしまった長門の体を拭き服を着せてやり、酒とつまみセットを持って提督は長門の部屋を出た。 下手なものを置いたままにしておくよりは後腐れがなくていいだろう。 そしてクリスマスの夜は静かに更けていった。 ───翌朝 「おお、陸奥か。遠征は成功だったようだな!」 「え、ええ。お陰様でね。と、ところで昨日サンタさんは来てくれたのかしら?」 もし失敗していたらどうしよう。 そう心配する陸奥の杞憂を吹き飛ばすように長門は豪快に笑った。 「ああ、サンタさんも粋なことをするものだな。最高のプレゼントだったぞ!」 「そ、そう。なら良かったわ」 一体何を渡したんだろう。 「ねぇ提督、姉さんったらすごく喜んでたけど結局何を渡したの?」 「すまん、ノーコメントで」 「?? まぁ問題なかったみたいだから別にいいけど」 釈然とはしなかったが姉が満足してるみたいだしいいか 無理に頼んだのは自分なのだからいちいち追求するような権利もない。 こうして今年のクリスマスの夜に何が起こったのかを知るのは幸いなことに二人だけの秘密となったのであった。
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/2551.html
長門有希の憂鬱Ⅰ 四 章 長門有希の日記 こちらの世界へ来て二年が過ぎた。 情報統合思念体からの連絡はない。支援もない。誰も助けに来ない。 このまま時が過ぎれば、わたしの有機サイクルはいつか性能の限界に達し寿命を遂げる。 それまで、色がない世界でわたしの思考回路は物理的に機能するだろう。 それならばわたしはいっそ、目を閉じ、耳を塞ぎ、口をつぐんだ生命体として生きようと思う。 わたしは長期の待機モードを起動させた。 果たして奇蹟は起きるのだろうか。 ---- タクシーの運転手に住所を棒読みで伝えると、十分くらいでそのアパートの前に着いた。 二階建ての二階、二〇五号室……。郵便受けにもドアにも表札らしきものはなかった。 呼び鈴を押した。こんなにドキドキするのは久しぶりだ。 赤の他人だったらなんとごまかすか、新聞の勧誘にするか、布団の販売にでもするか。 反応がない。もう一度呼び鈴を押した。やっぱり違うんじゃないか?。 それから郵便受けに戻り、周りに誰もいないことを確かめてからフタを開けた。 テレクラやらヘルスやらのチラシが詰まっているだけで、宛名を書いた郵便物は入ってなかった。 三度ノックして反応がないので俺はドアの前に座り込んだ。尻にあたった床のセメントが冷たい。 ここにいるのが長門でなければ、俺はこれからどうしよう……。 そんな先のことを考える気力はもう残っていなかった。 谷川氏の家にやっかいになりつづけるわけにもいかないよな。 長期戦になるかもしれない。とりえあずバイト探して、アパートでも借りるか。 向こうの世界はよかった。なんだかんだいって俺はあの生活が気に入っていた。 ハルヒはどうしているだろう。古泉は。俺がこのまま帰らなかったら向こうの世界はどうなるんだろうか。 もう日はとっくに暮れていた。 俺は長門のマンションにいた。長門が荷造りしていた。 どこかへ引っ越すのかと尋ねると、情報統合思念体のところに帰る、と答えた。 おい待てよ、俺を、ハルヒを置いていくのか。長門の腕を握った。 「自分が来たところに帰る」 「待ってくれ。いきなり帰るなんて言わないでくれ。お前がいなかったらSOS団はどうなるんだ。俺は!?」 長門はそれ以上何も言わなかった。そして一冊の本をくれた。 それからおもむろに和室に入ると、ふすまを閉めた。 俺がふすまを開けると、そこにはもう長門はいなかった。 俺の手にはエンディミオンがあった。 長門はさよならも言わずに消えた。 そこで、目がさめた。 見上げると、暗い藍色の空から雪が降っていた。 あたりはシンと静かで、すべての雑音を消してしまいそうな白いカケラが舞い降りてくる。 誰かが階段を上がってくる足音がした。怪しまれてはまずいとは思ったが隠れる場所もない。 このまま寝たフリをするか、あるいは立ち上がって今しがた尋ねてきたフリをするか。 階段を上り詰めた足音がはたと止まった。俺は立ち上がってそっちを見た。 「キョ……」 長門だ。やっと見つけたのだ。 俺はなにも言わず、長門もなにも言わなかった。 下げていた買い物袋を床に落とし、ゆっくりとこちらに歩いてきた。 なにかを言いたげな複雑な表情をして、俺の背中に細い腕をまわし、そして胸に顔をうずめた。 いつもの長門らしくない衝動に、俺は少しだけ動揺した。胸に暖かく濡れたものを感じた。 長門の髪に、綿を連ねるようにゆっくりと雪の切片が舞い降りた。 「長門……泣いてるのか」 「……」長門は顔をすりつけたまま動かなかった。 「あちこち探したぜ」 長門よ、お前もずいぶんと人間くさくなっちまって、俺は嬉しいよ。 俺と知り合った頃は無表情で無感情だった宇宙人製アンドロイドも、SOS団の連中と付き合ううちに、 人間特有の性質が身についてしまった。本人は気がついてないかもしれないが、俺はずっと観察していた。 情報統合思念体から見れば有機生命体の人間なんて、 ネズミとドングリの背比べ的な知性の低さを見て取っているかもしれないが、 人間それだけじゃないものもある。だからこそ稀有な存在なのだろう。 宇宙的にユニークと言った、長門よ、お前もそうなりつつあるんだよ。 「寒いから部屋に入れてくれないかな」 俺はかじかんだ手で長門の背中をさすった。 「……」 長門は手のひらで涙をぬぐって、表情を見せないようにそっぽを向いた。 ドアを開けると、六畳ひと間の、古びたアパートの部屋につつましい生活空間があった。 マンションに住んでた頃も元々モノ持ちなほうではなかったが、家具はほとんどなかった。 ぎっしり詰まった本棚を除いて。 それから俺は、長門がこっちの世界に来てからどう過ごしていたかを聞いた。 「わたしがこちらの世界に来たのは、約五年前。 ここでは情報統合思念体が存在しない。涼宮ハルヒという人間も存在しない。 そのためにわたしは長期の待機モードに入った」 いわば宇宙探査船が未知の星に漂着し、資源を節約するため乗組員が低温スリープに入るようなものか。 「身よりもなくてどうやって食ってたんだ?」 「……パチンコ」 パチンコ!?生活力あるなお前。 「この付近一帯で採用されているパチンコ台はすべてクリアした。スロットの目押しも習得した」 目押しって神業だぞ。 財布の残りをいつも心配していた俺より、ずっとたくましいよ。 「毎日、本を読んで過ごした」 俺は改めて部屋を見回した。 相変わらず本が好きなようだ。部屋の壁が本棚で埋め尽くされている。 「あの文庫本を書いた作家に会ってみたよ。事情を話すと協力してくれてな、ここまで来れたんだ」 「谷川流には前に接触を試みた。だがコスプレと思われて門前払いされてしまった」 なんてこった。谷川氏が言ったとおりだったか。 「それ以降、谷川流に接触する人間を監視していた。二年が経過した時点であなたは現れないと判断した」 「向こうの世界とこっちの世界の違いは何だ?接点は谷川氏だけなのか」 「限定された情報から推測すると、この世界はわたしたちがいる世界の平行世界。 ただし、わたしたちは谷川流の脳内にだけ存在する」 「それがこっちの世界の俺たちか」 「そう」 「そうか……俺もよく分からないんだが、なんでお前だけ五年前に飛ばされたんだ?」 「情報が限定されすぎていて分からない。 でも、位相変換がはじまったとき、わたしが無理に止めようとしたために時間軸が狂った可能性はある」 「古泉も言ってたんだが、敵対する組織とかいうやつらの罠じゃないか」 「その可能性もある。危険を回避するために、この時空でのわたし自身のアイデンテティを消した」 要するに身元を消したってことか。 「こちらの世界では、長門有希は創作上の人物でしかない。それをノイズとしてうまく身を隠すことができた」 なるほど。どおりでなかなか探し出せなかったわけだ。 俺はとりあえず谷川氏に電話することにした。 「もしもし谷川さんですか、キョンです。長門を見つけました。ええ、無事です」 谷川氏は驚嘆していた。まさか自分の作中の人物が実在するとは、聞かされていたとはいえ衝撃だろう。 「ええと、今日はここに──」マイクを押さえて長門に向き直った。「今日ここに泊めてもらっていいか?」 「……いい」 「ここに泊まります。じゃあ、明日伺います」 俺は電話を切った。長門は心なしか喜んでいるようではあるが。 「これからどうする。向こうの世界に帰る方法はあるか?」 「分からない」 忘れていたことがあった。 「これ、喜緑さんから預かったんだが」俺はバックパックから、例の黒い球を取り出した。 「……」長門は目を丸くした。 「渡せば分かると言っていたが、これはいったい何なんだ?」 「これは……空間を封じ込める技術」 「すまん、なんだって?」 「空間がこの球の内側に折りたたまれている。位相変換せずに次元を超えて物質を転送したいときに使う」 それで喜緑さんか。 「何が入ってるんだ?」 「素粒子がひとつだけ」 「素粒子って、宇宙を飛んでる、原子より小さいアレか。たったひとつだけ?」 「そう。この状態を維持するには莫大なエネルギーが必要。この大きさでは素粒子一個が限度」 「これを何に使うんだ?」 「おそらく緊急通信用。素粒子は通常、粒子と反粒子のペアになっている。 片方の素粒子に与えた情報は他方に伝わる。このペアのもうひとつは、情報統合思念体が観測しているはず」 つまり、異次元間での通信用か。 「ただし、一度しか使えない。この素粒子が情報を持って向こうの素粒子に遭遇すると消滅してしまう」 「助けを求めるチャンスは一度きりってことか」 「そう」 数年分の物理の授業を受けたような気分だ。とりあえずは帰る切符はあるということか。 気が付けば腹の虫が鳴いていた。 「もうこんな時間か、腹減ったな。どこかに食べに行くか?」 「……晩ご飯、作る」 そう言って、さっきの買い物袋を広げた。冷蔵庫を開けると材料はあるようだ。 長門の手料理は久しぶりだ。 いつだったか朝比奈さんと三人で食べたのは缶カレーの大盛りだったか。 味噌汁に魚の塩焼きに、肉じゃが、か。見る限り、あれから料理も習得したらしい。 「……おいしい?」 「うん。うまい。いい嫁さんになれそうだ」 ふつうならここで女の子がポッとか顔を赤らめてくれそうなんだが、長門には通じない。もくもくと食っている。 長門はふとなにかを思い出したように箸を止めた。 「この世界にひとつ、謎がある……」 「なんだ?」 「わたしが誰かの配偶者だという情報を多く見かけた」 「そうなのか」 「“長門は俺の嫁”って、何」 「なんだそりゃ」 「コンピュータネットワーク上でよく見かける」 「さあ、なんだろう。初耳だが。だとするとお前の旦那は大勢いるってことだな」 「……」 長門は無言のまま複雑な表情で食い続けた。 「水が沸いた。水温40℃」 「ああ、風呂か。今日はほこりだらけだからな。ありがたい」 浴室を見ると、石鹸やらシャンプーやらナイロンタワシやらが一切ない。 「お前はふだん風呂に入らないのか?」 「わたしにはナノマシンによる自浄機能がある。通常、風呂は必要ない。 ……それにレディにそんな質問をしてはいけない」 「そ、そうか、禁則事項だよな。すまん」野暮なことを聞いた。 「コンビニで入浴セットを買ってくる。歯ブラシも」 俺はどうも、長門の人間っぽい面とそうでない面のギャップについていけてないようだ。 この後がちょっと問題だった。 「布団が一組しかない」 「じゃあ俺は毛布かなんかあればそれでいいよ」 「……風邪を引きかねない。一緒に寝ればいい」 「それはいくらなんでも困るぞ」 「なぜ」 いやまあ、なんというか。俺もいちおう男だし、健康な男子だし、 というか長門とひとつの布団で寝るというシチュエーションが嫌だというわけじゃないが、 長門とあらぬ関係にでもなったら情報統合思念体に殺されかねんわけで、 ハルヒに知られたら三度殺されて三度蘇生されて三度埋められるだけじゃ済まない。 などと俺がブツブツ言っている横で、長門は押入れから布団を出して広げた。 ともあれもう十二時だ。昼間の疲れと、やっと会えた安堵も手伝ってか、睡魔が襲ってきてどうしようもない。 俺は迷いつつ布団に潜り込んだ。長門に背を向けて。 長門は蛍光灯のスイッチを引いて、音を立てずにそっと布団に入ってきた。 目をつぶること三十分。あれほど眠かったはずが待てど暮らせど眠れない。頭の後ろに長門の視線を感じる。 朝比奈さんが長門のマンションに泊まったとき、 寝てるときに長門に見られてる感じがして落ち着かない、と言っていたのを思い出した。 「長門よ」 「……なに」 「頼むから眠ってくれ。見つめられてると落ち着かん」 「……分かった」 長門が孤独に暮らした五年間を思えば、それくらい我慢してやれという誰かの声がした。 妥協案として長門のほうに向き直り、手を握ってやった。 そこからの記憶はなく、泥のように眠った。夢は見なかった。 「起きて」 長門の声で目を覚ました。昨日までの出来事が夢ではないことを確認するために周りを見回した。 「ああ」それからちゃんとズボンを履いたままであることを確認して安心した。かなり寝苦しかったはずだが。 「おはよう。今何時だ?」ちゃぶ台の上に朝飯が用意されている。 「八時二十四分十五秒」 「今日の予定は、とりあえず谷川氏に連絡してどうやって向こうに帰るかを話し合うことだな」 「朝ご飯、食べて」 「お、おう」 なんだか昭和四十年代の歌謡曲に出てきそうな風景だが、ひとつだけ言わせてもらえば、長門の味噌汁はうまい。 「長門」 「なに」 「ボクの髪が肩まで伸びたら、元の世界に帰ろう」 「……分かった」 そこ、笑うとこ。 俺は長門を連れて谷川氏のお屋敷に行った。 おばあちゃんが出迎えてくれた。 「めっさかわいいお嬢ちゃんじゃないかねっ。寒かったろう。さあさあ、おあがり」 「……」誰かの面影があることに長門も気が付いたようだ。 座敷に通された。 「谷川さん、長門を連れてきました」 「はじめまして谷川です」谷川氏は少し照れたような、感激したような微妙な表情を浮かべた。 「……長門有希」長門は少しだけ頭を下げた。 二人とも無言だった。どうも空気が固まっている。 「ええと、長門がこっちに来たのは五年前で、存在を知って一度は谷川さんに会おうとしたらしいです」 「ああ、やっぱりそうなのか」 「……あのときは制服を着ていた」 今日は珍しくタートルネックの黒のセーターを着ているが、それでか。 「それで、俺たちがどうやって向こうに帰るか、なんですが」 「そう、それが問題だね」 「いちおう、向こうの世界と連絡は取れるらしいんです」 俺はバックパックから、例の黒い玉を取り出して見せた。 「これは?……重いね。何かなこれ」 「向こうの世界の素粒子が入ってるらしいんです」 「ほう……そんなことができるんだ?」 「向こうの情報統合思念体が俺に託したんです。連絡用らしいですが」 長門が人差し指を立てた。 「連絡は……一度」 「ニュートリノと反ニュートリノが遭遇するとき、向こうに情報が伝わるってわけだね」 さすがSF作家だ。 「連絡はつくとして、どうやって向こうに帰る?物理的な転移が必要だろうけど」 長門は谷川氏に向き直り、 「あなたが小説を書けば、そのとおりになる」と言った。 「僕が?」 「わたしと彼は、あなたの書いたストーリーの上を歩いてきた。 帰るための手段も、それに従う」 「ええと、じゃあきみたちを元の世界に返す方法を僕が決めればいいわけか」 「……そう」 「これからの展開の中にそれを含めて出版されればいいわけだね」 「そう。ただし十三巻には時空の歪みが内包されている。 向こうの世界からこちらの世界への接触はできないように書き直してほしい」長門が答えた。 こちらの世界の情報は、わたしたちがいた世界に漏れてはならない、 情報は一方通行でなければならない、長門はそう言った。 「分かった。今回の現象も含めてプロットとして書いておこう。で、きみたちは同じ手順で向こうに戻る」 「同じ手順と言うと?」 「その地上絵をもう一度登場させて、向こうの世界への扉が開く」 長門がちょっと考え込んで言った。 「その場合、扉は、向こうから開かなくてはならない。情報統合思念体の支援が必要」 「どうやって支援を頼むんだ?」俺が聞く。 「この素粒子球で座標を伝える」長門が黒い球を指した。 「そうだ。これはそのために用意されたんだね」谷川氏がうなずいた。 パズルのピースがすべてはまった。決行は、今夜だ。 「あの、ひとつだけお願いが。できれば今後、ハルヒにはあまり無茶をさせないでください」 「分かったよ。ほどほどにする。ただし読者を満足させられる程度には」谷川氏は笑った。 近頃の読者は、登場人物の血を見ないと満足しないから怖い。 「鉛筆……買って」 「何にするんだ?」 「信号を送るのに必要な材料」 「鉛筆でいいのか」 「地上絵の信号を素粒子球を通じて送る。 それには広い場所と光を放つ発火性の物質が必要」 広い場所は北高グラウンドでいいだろう。東中は一度やってるんで怪しまれるとまずい。 「発火性の物質って、花火みたいなもんか?」 「そう。大量の水と空気。鉛筆を二十キロ。それらから核融合する」 「二十キロ分か」核融合って……そんな簡単にできるのか。 空気はそのへんにあるとして、水はプールのたまり水を使おう。 この時期はだいぶ汚れてるだろうが。 導火線変わりに使うという灯油を二缶、谷川氏に頼んだ。 ええと鉛筆一本が十グラムくらいか。とすると二千本必要だな。十二で割ると……。 「鉛筆は百六十六ダース必要」考えていると先に言われた。 文房具店をいくつかハシゴしないといけないな。 俺と長門は、とりあえず北口駅まで買出しに出かけることにした。 百貨店のテナントで半分の量の鉛筆、さらに別の専門店で残りを調達した。 突然の大量購入は断られるかと思ったが、店員は喜んでいたようだ。 鉛筆を大人買いしたのははじめてだ。 俺は段ボール箱いっぱいの鉛筆を抱え、汗を垂らしながら歩いた。 帰りの道すがら、長門がふと足を止めた。 「……行きたいところが、ある」 「どこに?」 「……」南西の方を指した。 長門は黙って歩き始めた。 この方角は……、勘は当たっていた。図書館だった。 中に入ると暖かい空気が二人を包んだ。 紙とインクの匂いと、それから何か分からない安心させるこの雰囲気は、どこの世界でも同じかもしれない。 そういや、受付のお姉さんに頼みごとをしたままだったな。 俺はカウンターまで行って、長門を指して無事会えたので、と伝えた。 お姉さんは俺と長門を交互に見つめ、微笑んでいた。 「あなたの学生手帳、貸して」 「いいけど、何するんだ?」 長門は黙ってなにかの書類に記入し始めた。それをカウンターに持っていって、数分して戻ってきた。 「これ……記念に」長門の差し出した手に貸し出しカードがあった。 「ああ、ありがとう」 二年前、同じことを長門にしてやったな。そのお礼か。 何の記念だか分からないが、とりあえず受け取っておいた。たぶんもう、借りに来ることはあるまい。 それから長門は、あのときと同じように本棚の群れの間をさまよっていた。 俺も同じことをするか。空いてるシートに腰掛けて居眠りを決め込んだ。 夜九時、俺たち三人は十分に暗闇が降りてから行動を開始した。 車で学校の前を通り過ぎ、離れた空き地に止めた。 俺は大量の鉛筆を抱え、谷川氏は両手に灯油のタンクを抱えていた。 あきらかにタンクのほうが重いので変わりましょうかと言ったのだが、谷川氏はたまには運動しないとねと言って譲らなかった。 タンクを抱えての柵越えはちょっと大変だった。 正門から忍び込むと明らかにあやしい集団に見えるので、西側まで回って入り込んだ。まあどこから入っても十分あやしいんだが。 タンクはグラウンドに置いておき、先にプールへ向かった。懐中電灯で照らすと、水はあるようだ。 「鉛筆を入れて」長門が言った。 俺は箱を崩しながら鉛筆をバシャバシャ放り込んだ。長門は箱もいっしょに放り込んだ。 「紙もいいのか?」 「いい。必要なのは、炭素」 そういえば鉛筆の芯は炭素の同位体だったな。 それから長門はおもむろに右手をかざし、詠唱をはじめた。次の瞬間、プールの真中を軸に凄まじい旋風が起こった。 水が十メートルほど立ち上がったかと思うと、竜巻になり、そして黒い粉のような塊となって落ちてきた。 「ちょ…ちょっと口の中が……」その場にいた俺と谷川氏が、声を枯らしてのどと目を押さえた。 「……す、すまない。うかつ」 長門はあわてて二人をひっぱり、プールから離れた。 「周辺の水まで奪ってしまった。すまない」俺の水分が材料になったってわけか。 長門は学校の外へ走り去ってゆき、缶のお茶を二本持って戻ってきた。 「あー、コンタクトレンズがパリパリ言ってるよ」谷川氏が目をこすった。 「……もうしわけない」 「プールでなにを作っていたの?」 「炭、硫黄、マグネシウム、銅、その他可燃性の金属。そしてそれらの混合物」 「つまり、花火の材料か」 「……そう」 中世に行って錬金術師にでもなれるんじゃないか。 プールに戻ってみると、水と同じ体積の、灰色の粉らしきものが出来ていた。 「これ、どうやって運ぶんだ?」 「……任せて」 長門はもう一度右手を上げて、「今度は、大丈夫」と言ってから呪文を唱えた。 プールを埋め尽くしていた粉が、さっきと同じくらいの高さに立ち上がって球になり、少しずつ小さくなっていった。 最後はソフトボールくらいの球になった。 長門は空になったプールの底に下りていって、その球を拾い上げた。 「分子圧縮した」簡単に言ってるけど、すごいよ長門さん。 それから三人はグラウンドに行った。幾何学と測量の出る幕だ。 まず俺が巨大な正方形の頂点に二メートルくらいの棒を立てる。 暗くて分からないので、棒の先にペンライトを巻きつけた。 まず点を結んで線を引き、正方形を作る。 その頂点に対角線を二本引き、真中を割り出したところで上下左右の辺に垂線を引く。 これで内側に正方形が四つ現れる。 さらにその正方形の内側に正方形を作り、それを繰り返して碁盤状の正方形が出来上がった。 地上絵は、大きく二つの部分に分けることができる。 隣に同じ大きさの正方形をもうひとつ描いた。これで二つの絵が描ける。 あとは長門の指示で各マスの辺に点を置いてゆき、それを繋いでいくと絵が仕上がる。 これ、GPS使ったらもっと簡単にいきそうなんだが。 線に沿って灯油をちょろちょろと撒いた。これが導火線になる。 その上に長門がさっき作った球を持って火薬のウネを作った。 球から延々灰色の粉が流れ出て、長い山になっていった。 球はちょうど文字の最後の部分で消えた。 「警備会社の巡回まであんまり時間がない。急ごう」谷川氏が言った。 「わたしが素粒子球を上空千メートルまで投げる。合図をしたら、火を付けて」 「分かった」俺は手にもった松明に火をつけた。 「そろそろはじめますか」 「今のうちにお別れを言っとくよ。また会おう。作中でね」谷川氏が手を差し出した。 「いろいろとありがとうございました」俺は手を握って振った。 何度お礼を言っても足りない。この人がいなかったらずっとホームレスを続けていたかもしれない。 犀は投げられた。すべての準備が整った。 「谷川さん、カウントしてください」 「いくよ」 三、二、一、GO! 長門の手から勢いよく球が飛んでいく。 「今」 俺は地面に火を放った。まばゆい火柱が足元を走った。 青白く、さらに緑に、そして赤く燃える地上絵がグラウンドに浮かび上がる。 三秒、四秒、五秒……。見えはしないが黒い球が落ちてきているはずだ。 まだか、まだなにも起きない。 「特異点が発生した。向こうの次元が開いた」 長門が上を指差した。上空、百メートル付近だろうか、白い光の球が生まれた。 それが徐々に膨らみはじめ、そして落ちてくる。 長門は強引に俺の手をひいて、地上絵のまんなかに走った。球がちょうど真上から落ちてくる。 白い光はさらに膨らんで、直径三メートルほどにまでなっただろうか。 球が俺たちの上に落ちてきた。二人は球の中へ入った。 「目を閉じて!」長門が叫んだ。まぶたを閉じても強い光が目に飛び込んでくる。 強い地響きのような振動がまわりを包んだ。 俺と長門は互いに強く抱きしめ合い、光の中で、一瞬よりは長い永遠の間、じっと待った。 光が徐々に引いていく。目を開けて後ろを振り返ると、うっすらと消えていく谷川氏が親指を立てていた。 ── アスタラビスタ。 気が付くと、いつもの風景の中にいた。夜の北高のグラウンド。 前には同じ景色の中を神人に追われてハルヒと走った。 俺と長門はどちらとも、しばらくなにも言わなかった。 抱き合ったままだということを思い出して、俺は長門から腕をほどいた。 「俺たち、ちゃんと帰ってきたのかな?」 「こっちの標準時と同期した。今、情報統合思念体と話している。五年分のレポートをアップロード中」 「そうか。長門は無事に取り戻したからと言っといてくれ」 こういう場合の気分だ、少しはヒーローを気取ってみたい。 「伝える」 俺も自分の組織である家に帰ろう。というか、古泉に連絡を入れないとな。 あいつが思い余ってハルヒにすべてをぶちまけてしまう前に。 「古泉か、今帰ってきた。長門も無事だ」 携帯が通じる。どうやら帰ってきたようだ。俺の自宅にいるという未来の俺と遭遇しないように手配を頼んだ。 「マンションまで送っていくよ」 「……」この無言は俺の知る長門の表現では、ありがとうという意味。 俺は夢でも見ているかのように、終始ぼんやりとしたまま坂を下った。疲れてるんだろう。 見知らぬ世界へ行って、そして今帰ってきたという現実に、まだピンと来ていない。 マンションに差し掛かると長門が口を開いた。 「お茶、飲む?」 「さすがにちょっと疲れたから、今日は帰るわ。それに俺を待たせてるし」 何言ってんだろ俺、みたいな気がしたが長門には通じたようだ。 「……そう」 「じゃあ、またな」俺は元気なく手を振った。 長門はいつまでも俺を見ていた。 振り返るたびに小さくなっていく長門に向かって俺は、大丈夫だ、明日も会えるから、と手を振った。 わずか数日留守にしただけだったが、翌朝の俺はずいぶん懐かしい気持ちで学校へ行った。 ハルヒも、クラスメイト全員も、なにも変わっていなかった。 「懐かしいな、谷口」 「なに言ってんだお前、昨日いたじゃねえか」谷口が怪訝な顔をしていた。 昨日か、そんな遠い未来のことは知らん。 「キョン、おっはよ」さらに懐かしい声がした。 「お、おう」 俺はハルヒの顔をまじまじと見つめた。 「な、なによ。あたしの顔になんかついてるの?」 「いや、なんでもない」 やっぱりこいつがいないと俺の生活ははじまらない。 俺の居場所は架空なんかじゃない、嫌になるほどリアルなSOS団が存在する、こっちの世界だ。 俺は壁にかかっているカレンダーを見た。 長門がこっちの世界から消えて七日間、俺がこっちを出て四日間、俺の主観時間と一致する。 昨夜、古泉に電話して未来の俺を呼び出してもらい、古泉の家に引き取ってもらった。 未来の朝比奈さんとはまだコンタクトできないらしい。 ということは俺は古泉の家に数日泊まることになるわけか。 あいつの哲学やら能書きやらに何日も付き合うはめになるのかと思うと、今から気持ちが萎える。 耐え切れなくなったら長門のマンションにでも泊めてもらうとするか。 放課後、ひさしぶりの部活である。 俺の学業生活は放課後がメインなんじゃないかと思うくらい、この時間が来ると気分が開放的になる。 「あたし掃除当番だから。先行ってて」 我が団長様は教室の掃除か。ご苦労さま。 俺がいない間も、たぶんなにも変わらない日常が続いていたんだろうな。 こんな平穏な毎日が続けばいい、そう思う。 文芸部部室のドアノブに手をかけたところで、誰かが俺のベルトを引っ張る。 「……話がある」 長門、用があるときは袖を引いてくれと。それから、突然現れるのは心臓に悪いから。 「で、話ってなんだ?」 「情報統合思念体が、向こうの世界に関する記憶を消したほうがいいと言っている。 平行世界との論理的逆説を招きかねない」 「そうなのか……俺はできれば忘れたくないんだが」 あのとき、谷川氏が別れ際に見せた笑顔が忘れられない。 「俺の記憶が消えてもお前は覚えているのか」 「わたしの記憶からも消去される。以降、あの本と谷川流に関する情報は禁則事項となる」 「それはなんだか寂しいよな」 「情報統合思念体のアーカイブには保管される。必要なときに封印が解かれる」 「長門を見つけ出したときの、あの瞬間は忘れたくないんだが」 長門はちょっとだけ考えて、 「希望するなら、そのままでもかまわない。でも、言葉にしようとすると抑制がかかる」と言った。 「分かった。未来人の禁則事項と同じだな」 「古泉一樹と朝比奈みくるの記憶は消去する」 「しょうがない。やってくれ」 「……あなたは外にいて」長門はドアを開けて中に入った。 「な、長門さんなにするんですかぁ!?」 「長門さん、それはあまりに大胆すぎます!うわああ」 部屋の中から、椅子がひっくり返る音、それからキャーともギャーともつかない叫び声が上がった。 な、中で何が起こってるんだ? ハラハラドキドキして楽しんでいると、しんと静まり返った。 おもむろにドアが開いて、いつもより涼しい顔をした長門が出てきた。「……終わった」 「あなたの番」 「き、禁則事項ってどうやるんだ?」まさか脳を切開して取り出したりしねーだろうな。 「……こう」 長門は両手で俺の頭を抱えて「少しかがんで」と言った。俺は言われるままに頭を長門の顔に近づけた。 やわらかく暖かい唇を額に感じた。 ── あなたの中にわたしの記憶があれば、それでいい。 長門、その言葉、忘れないよ。 「もう!有希ったら一週間もどこ行ってたのよ!心配したじゃないの」 ハルヒが珍しく半ベソをかいている。長門の首に巻きついて離れない。 「エルサルバドルの両親に会いに行った。進路のことで」 「だったら連絡くらいしていってよね。だいたいエルサルバドルてどこよ」 「ラテンアメリカですね」聞かれもしないのに古泉が答えた。 「エルサルバドル、中米の小国家。人口約六五八万人。 面積は約二万一千平方キロメートル。国内総生産は百六十六億ドル」 長門、それは詳しすぎて逆にあやしい。 しかしホンジュラスとかエルサルバドルとか、アンドロイドはなんでラテン系が好きなんだ。 「おかえりなさい。無事でよかった」 ドアが開いて喜緑さんが登場した。 長門は喜緑さんと特殊な方法で会話でもしているのか、数秒見つめあった。 「キョンくん、おつかれさま」喜緑さんが笑顔で言った。 「いえいえ、いろいろとありがとうございました」 アンドロイドにもこういう、喜緑さんみたいな感情豊かで優しいタイプがいるんだよな。 「これ」長門がハルヒに向かって、なにやら袋を差し出した。 「あたしにお土産?」 「……そう」 袋の口を開けるとコーヒー豆の缶が出てきた。 「へー。コーヒーの産地だったんだ」ハルヒが嬉しそうに言う。 長門がチラリと俺を見た。これしか手に入らなかったからしょうがないんだ、とでも言いたげな目で。 「どこかでコーヒーメーカーを手配しないとね、みくるちゃん」 「あ、ハイハイ。明日、ドリッパーとマグカップを持ってきますね」 朝比奈さんメニューにコーヒーが追加されましたか。待ち遠しいです。 その後のことを、少しだけ話そう。 長門だが、あいつはふだんと変わりない、いつもの長門に戻ったようだ。 今回のことで、あいつと俺の間に、見えない親密ななにかができたように思う。 「なあ長門、いつかふたりでどこか行かないか」 「……また、図書館に」 「そうか。ほかに好きなところへ行ってもいいんだぞ」 「……図書館」 長門にはそれ以外ないようだ。まあ帰りに映画にでも連れてってやろう。 「ハルヒには内緒でな」 「分かった」 長門はひとことだけうなずいて、また本の世界に戻っていった。 俺の財布には今も、存在しないはずの西宮市立図書館のカードが入っている。 いつか、この禁則が解けたら、長門にも話してやろうと思う。 そう、とりあえずは俺たちを生み出した、谷川氏のこと。 ── また会おう。作中でね。 もう一生、出会うことはないだろう。少なくともこちらの世界からは。 谷川さん、しばらくはハルヒをおとなしくさせてくれたら助かります。 俺は上でもなく東でもなく、どっちか分からないあっちの世界に向かって祈った。 しかしこれもまた、谷川氏も含めた今回の出来事が、 別の世界の誰かの頭の中に存在する物語である可能性を、俺は否定できないでいるのだ。 END ---- -[[長門有希の憂鬱Ⅰプロローグ]] -[[長門有希の憂鬱Ⅰ一章]] -[[長門有希の憂鬱Ⅰ二章]] -[[長門有希の憂鬱Ⅰ三章]] -[[長門有希の憂鬱Ⅰおまけ]] ----
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/2618.html
あれから長門の携帯に連絡すると、「待ってる」という返事を戴いた。 春先とは言え風呂上りに外出すると風邪をこじらせるかもしれないが、 未来のことより今は目の前の異常事態を解決しなけりゃならん。 纏わりついてくる妹を追っ払うと、俺はパーカーを羽織って玄関のドアを開けた。 長門が住むマンションに着き、インターホンを押す。 無言の応対に俺だという事を告げると、玄関が開いた。 もうこのやり取りは何回目だろうね。 馴れた操作で708室をノックすると、制服のままの長門が出迎えてくれた。 「事態は把握している」 流石長門。話が早いな。どうすれば元に戻る? 「しかし私ではどうすることもできない」 なんですとー!? じゃあ俺は変化するへんてこりんな体のままってことなのか。 「そう。あなたの体の異変は昼に読んでいた本が原因と思われる。 涼宮ハルヒの力が元凶である以上、情報統合思念体でも対処は困難。 しかし」 そこで一旦言葉を区切ると、長門はお茶を一口含んだ。 「現状のままでも観測に影響はないと考えられる。 大丈夫、あなたは私が守る」 その心遣いは非常にありがたいが、俺はちっとも嬉しくないぞ。 何回も長門に助けられているとはいえ、俺だって男なんだから意地というものがある。 今は時々女になるけどな。 「1つ確認したいことがある。きて」 そういうと長門は立ち上がって、俺を奥へと手招きした。 確認したいこと? はて、一体何だろうな。 「入って」 長門が招き入れたのはなんと浴槽だった。 ちょっと待て。俺がお湯を被ると女になって、水を被ると男になるのは知ってるだろ? しかも服のままって濡れるじゃねーか。 「その心配はいらない。しゃがんで、頭を下げて」 どうやら逆らうことは無理のようだ。 コピ研との対戦した時のように有無を言わせない迫力がある。 俺は観念して長門が言われた通りに座り込んで頭を垂れた。 「これでいいか?」 「いい」 俺の視界はタイルの床しかないので状況がよくわからないが、 恐らくシャワーを手に取った長門が蛇口を捻った。 間髪置かず温かい雨が俺の頭に勢いよく降り注ぐ。 肩と顔に髪の毛がかかり、また俺は女になったことを知る。 そう言えば、この髪の毛はどれくらい長いんだろうな。鏡を見る勇気がないからわからん。 「まったく、何がしたいんだ長門って・・・おい!」 長門はすぐに蛇口を捻ってシャワーを止めたかと思えば、 俺の目の前に座り込むと突然俺の胸を掴んだではないか。 待て待て待て! いったい何の冗談だ、長門。 「確認」 「は? ちょ、揉むんじゃない!」 無言で胸を揉み始める長門。髪から垂れる水で服が濡れても気にしない。 落ち着け長門! 今は女の体をしているが俺は男だぞ。 お前までハルヒの手癖がついたんじゃないだろうな。 このままだとマジやばいって! 「・・・・大きい」 「へ?」 突然言われた形容詞にまぬけな返事をする俺。 だが、長門の声は真剣というより怒りが混じっているような――。 「私より、大きい」 そう言えば、長門の胸より大きい気がするが・・・って確認したい事ってこれなのか! 「そう、私はあなたの胸部に失望している」 「俺が望んだわけじゃねーぞ。ってだから揉むなぁ!」 また無言で俺の胸を揉み始める長門。 だから恨めしそうに俺を見るんじゃありません! はぁ、いったい俺はいつになったら戻れるんだろうね。
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/2527.html
あれから長門の携帯に連絡すると、「待ってる」という返事を戴いた。 春先とは言え風呂上りに外出すると風邪をこじらせるかもしれないが、 未来のことより今は目の前の異常事態を解決しなけりゃならん。 纏わりついてくる妹を追っ払うと、俺はパーカーを羽織って玄関のドアを開けた。 長門が住むマンションに着き、インターホンを押す。 無言の応対に俺だという事を告げると、玄関が開いた。 もうこのやり取りは何回目だろうね。 馴れた操作で708室をノックすると、制服のままの長門が出迎えてくれた。 「事態は把握している」 流石長門。話が早いな。どうすれば元に戻る? 「しかし私ではどうすることもできない」 なんですとー!? じゃあ俺は変化するへんてこりんな体のままってことなのか。 「そう。あなたの体の異変は昼に読んでいた本が原因と思われる。 涼宮ハルヒの力が元凶である以上、情報統合思念体でも対処は困難。 しかし」 そこで一旦言葉を区切ると、長門はお茶を一口含んだ。 「現状のままでも観測に影響はないと考えられる。 大丈夫、あなたは私が守る」 その心遣いは非常にありがたいが、俺はちっとも嬉しくないぞ。 何回も長門に助けられているとはいえ、俺だって男なんだから意地というものがある。 今は時々女になるけどな。 「1つ確認したいことがある。きて」 そういうと長門は立ち上がって、俺を奥へと手招きした。 確認したいこと? はて、一体何だろうな。 「入って」 長門が招き入れたのはなんと浴槽だった。 ちょっと待て。俺がお湯を被ると女になって、水を被ると男になるのは知ってるだろ? しかも服のままって濡れるじゃねーか。 「その心配はいらない。しゃがんで、頭を下げて」 どうやら逆らうことは無理のようだ。 コピ研との対戦した時のように有無を言わせない迫力がある。 俺は観念して長門が言われた通りに座り込んで頭を垂れた。 「これでいいか?」 「いい」 俺の視界はタイルの床しかないので状況がよくわからないが、 恐らくシャワーを手に取った長門が蛇口を捻った。 間髪置かず温かい雨が俺の頭に勢いよく降り注ぐ。 肩と顔に髪の毛がかかり、また俺は女になったことを知る。 そう言えば、この髪の毛はどれくらい長いんだろうな。鏡を見る勇気がないからわからん。 「まったく、何がしたいんだ長門って・・・おい!」 長門はすぐに蛇口を捻ってシャワーを止めたかと思えば、 俺の目の前に座り込むと突然俺の胸を掴んだではないか。 待て待て待て! いったい何の冗談だ、長門。 「確認」 「は? ちょ、揉むんじゃない!」 無言で胸を揉み始める長門。髪から垂れる水で服が濡れても気にしない。 落ち着け長門! 今は女の体をしているが俺は男だぞ。 お前までハルヒの手癖がついたんじゃないだろうな。 このままだとマジやばいって! 「・・・・大きい」 「へ?」 突然言われた形容詞にまぬけな返事をする俺。 だが、長門の声は真剣というより怒りが混じっているような――。 「私より、大きい」 そう言えば、長門の胸より大きい気がするが・・・って確認したい事ってこれなのか! 「そう、私はあなたの胸部に失望している」 「俺が望んだわけじゃねーぞ。ってだから揉むなぁ!」 また無言で俺の胸を揉み始める長門。 だから恨めしそうに俺を見るんじゃありません! はぁ、いったい俺はいつになったら戻れるんだろうね。